目次
相続の疑問に、銀行員が答えます!
第6回 いまから準備できることは? ~相続で困らないために
いつか来るその日に備えて、いまから準備できること

1. 預金口座はなるべく分散
本人名義の口座がひとつだけで、ローン返済・給料振込・公共料金引き落としなどがその口座に集中していると、預金凍結された場合、生活がマヒしてしまいます。
適度に口座を分散する。それも違う銀行に分散するようおすすめします。
ただし、新規口座を作るとき銀行がうるさく理由を聞いてくる場合がありますので、注意も必要です。
2. 万一に備えて「準備金」を準備しておく
銀行など金融機関では、地震などの災害時に備えて緊急の出金に対応するため金庫の中に現金を保管しています。
これは災害時以外には使われることがなく「準備金」などと呼ばれています。
家庭でも「準備金」を応用します。
多額ではぶっそうですので、適度な金額にしてください。
両親に預けたり、小口の生命保険も有効です。
3. 銀行は「メインバンク」と「準メインバンク」を持つ
「メインバンク」と「準メインバンク」というのは、本来銀行や大企業で使う言葉です。
「メインバンク」とは融資・預金などの取引残高が1番多い銀行です。
家庭で、この考えを応用するのも効果的です。
一般家庭で複数の銀行から借金するのはおすすめしませんが、死亡ではなくても万一の備えとして預金口座やカードローンなどは、メインバンクより、準メインバンクを使う方がいいです。
預金、ローンともバランスを考えながら付き合っていけるなら問題はないでしょう。
銀行窓口の実体験から「やってはいけないこと」

すべて私が窓口で見聞きした実体験であり、全てやってはいけないことです。
・ あとで面倒だから、旦那が出金した現金を、しばらくして奥さんの口座に入金した
→ 現金出金したあと、ほとぼりが冷めた(と思った)頃に、別の人の口座に入金することは「贈与」です。
税務署は銀行に立ち入り検査をすると、伝票かれ防犯ビデオの映像などあらゆる調査をします。
・ 本人のお金を数千万円単位で、子供名義にして国債を購入した
→ 親が子供の将来に備えるものとは額が違います。
意図的なものは「借名(シャクメイ)」とされて「贈与」になる場合があります。
・ 現金でおろして、瓶に入れ庭に埋め、銀行窓口に話す
→ 「隠している」と公言しているようなものです。防犯面でも問題があります。
それぞれ問題になってしまう考え方ですので、くれぐれもやってはいけません。(執筆者:加藤 隆二)