金融ビッグバンと呼ばれる金融の大規模規制緩和が行われておよそ20年。
銀行は銀行、保険は保険会社、株は証券会社、という垣根が低くなり、さまざまな金融機関でさまざまな金融商品が取り扱われるようになりました。
利用者としては「どこと取引をするのが一番良いのか?」と考えてしまいます。
それぞれの金融機関にできることを説明し、取扱商品と賢い使い方を紹介します。
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目次
銀行でできること
銀行口座を持っていないという人はほとんどいない時代です。
銀行・信託銀行・信用金庫・農協等、「入出金と振込ができる」金融機関は最もニーズが高いのです。
昔ながらの銀行業務は
・ 貸金
の2つですが、今は個人向けの取扱商品だけでも
・ 生命保険
・ 証券(仲介・紹介)
・ 遺言信託
・ 遺産整理
などが加わり、幅広くなっています。
1人の職員が扱う商品が最も多いのも銀行かもしれません。
生命保険会社でできること
生命保険会社は、今でも生命保険業務しかできません。
法律上生命保険会社は利益を出してはいけないことになっているので、保険業務から逸脱できません。
生命保険の場合、販売や対顧客の業務のほとんどは代理店を介して行われているので、保険会社と直接何かを契約している方は少数です。
日系の大手保険会社には今でも生保レディさんや営業職員がいますが、特に外資系の保険会社など、営業員を抱えない保険会社も増えています。
保険会社というのは、車に例えるならトヨタやホンダといったメーカーで、対顧客に販売するのは「ディーラー = 保険代理店」というのが一般的。
ただし、保険の場合は物と違って作りっぱなしという訳にはいきませんから、契約の管理や事後手続き、保険金支払い等の業務は保険会社がやっています。
保険代理店も形も幅広くなってきていて、従来は1代理店1保険会社が原則でしたが、今は複数の保険会社の代理店を兼ねる乗合代理店も一般的になりました。
銀行や証券会社も保険の代理店になることができるようになりましたので、銀行の窓口で保険の案内を受けたことがある人も多いのではないでしょうか。
乗合代理店や銀行・証券会社の場合、複数の保険会社の商品を1つの窓口で比較できるというメリットもあります。
証券会社でできること
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証券会社は預金業務こそできませんが、運用商品のほとんどは取扱可能になりました。
中でも株式の売買は証券会社でしかできない分野です。
上記、銀行でできること、で紹介した、預金・貸金と信託関連商品(遺言信託・遺産整理)以外は証券会社でも取り扱っています。
どこで取引するのが良い?
個人的には、ほとんどの人は預金のある銀行と取引していれば、株以外の運用は可能ですので、それで十分なのではないか、と思います。
あとは相談する相手(銀行員、生保レディ、証券マン等)を信頼できるかどうか、というのも大事です。
それぞれ得意分野がありますので、それを参考に選択してみても良いかもしれません。
生保 : ライフプランニングに即した提案・設計業務、リスク管理
証券 : マーケット情報の提供、投資信託に関しては最もラインアップが多い
また、昨今大手金融グループでは、グループ内の銀行と証券会社の間で互いに顧客を紹介し合う連携業務も活発化しています。
基本的には銀行と取引するけれど、良い商品があれば証券会社を紹介してもらう、というスタンスもありだと思います。
同じ店舗(支店等)に銀行と証券会社がそれぞれ窓口を構えているというところもありますし、ネット銀行なんかは手続き画面が証券と連動していたりもするので、連携されていて使いやすくなっている部分もあります。
「使い分け」も大事かもしれませんが、自分の時間や手間を節約するには、窓口をなるべく一本化する工夫も必要かもしれません。(執筆者:鈴木 みゆき)