本記事では、30歳の夫婦が毎月それぞれ2万3千円を積み立て投資に回して、60歳時点で合計およそ4千万円の資産を作るシミュレーション一の例を見てみます。
結論を言いますと、計算上は可能です。
目次
夫婦でイデコ(iDeCo・個人型確定拠出年金)を使うとどうなる?
ここでは以下のような内容でシミュレーションをします。
掛け金毎月2.3万円(給与から積み立て投資) 年収500万円
【妻】専業主婦 30歳
掛け金毎月2.3万円(夫の給与から積み立て投資) 年収ゼロ
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平均運用利率は、ここでは5%とします。
この5%という数値は「長期分散投資でとてもうまく行った場合の数値のようなもの」だと思ってください。
つまり、夫婦で30年間、毎月合計4.6万円の積み立て投資をするシミュレーションです。
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30年間積み立て投資をすると約4千万円になる?
シミュレーション結果はこうなりました。
出したお金828万円
→ 増えたお金 1,086万円 戻ってきた税金165万円 合計2,079万円
【妻】
出したお金828万円
→ 増えたお金 1,086万円 戻ってきた税金ゼロ 合計1,914万円
夫婦合計で、3,993万円となりました。およそ4千万円です。
イデコ(iDeCo・個人型確定拠出年金)で資産形成すると、少しお得?
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あくまでもシミュレーション一例ですが、特別なテクニックを使用することなく、積み立て投資だけでおよそ4千万円の資産形成が達成できました。
イデコを利用すると、税制上優遇されるので、その効果が大きいのです。
ちなみに先ほどの例で、税制優遇されているイデコ(iDeCo・個人型確定拠出年金)を使わずに通常の証券会社などの課税される口座を使用した場合は、それぞれこうなります(カッコ内はイデコでの数値です)。
妻 : 合計1,697万円(1,914万円)
夫婦合計で3,394万円となりました。
イデコでの場合と比較すると、599万円低い数値となりました。
税金分を考慮すると、どうしても税制上優遇されているイデコの方が良くなるのですね。
預貯金だけだと、どうなる?
今度は、積立の預貯金で同じく夫婦合計で4.6万円を積み立てた場合を見てみましょう。
こうなります(カッコ内はイデコでの数値です)。
イデコを使った場合と、毎月の積み立てる金額は同じです。
しかし、30年間という長期で見ると、2,333万円という差がついてしまいました。
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イデコは老後に備えるもう一つの年金です
今回は、30歳夫婦のシミュレーション一例を見てみました。
現実には、65歳や70歳まで働いたり、退職金があったりと、人によって60歳時点の総資産額は異なります。
しかし、長期投資では、理論上は同じ投資した人は、同じリターンを得ます。
もちろん、投資対象に何を選ぶかによって、結果は異なります。また、未来のことがどうなるかはわかりません。
ただ、未来が不透明だからこそ、老後に備えて「もう一つの年金」であるイデコを利用するのは良いことかもしれません。(執筆者:佐々木 裕平)