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犯罪に巻き込まれるバイト
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「儲かるバイトをはじめたつもりが、フタを開けてみたら犯罪だった」というパターンが増えています。
金融会社に勤めていたときには、顧客が罪を犯したり、犯罪に巻き込まれたりというケースを身近に経験してきました。
主婦や少年たちを狙うリアルな手口と対策について詳しく解説したいと思います。
未成年者を犯罪バイトへ誘う手段
・ SNSやオンラインゲームで出会った人
・ ナンパや友達伝いで仲良くなった人から「儲かるバイトがある」と声をかけられる
などが多いようです。
そのほか、ブランド物や高級車などを見せつけて、興味を持たせることもあります。
主婦層を犯罪バイトへ誘う手段
主婦の場合は、
・ 不倫相手
・ 元同級生
・ ホスト
・ ふらりと入ったカフェのオーナー
などからもアルバイトの勧誘をされることがあります。
もちろん、未成年者と同様に、SNSやオンラインゲームで知り合った人から勧誘されるというパターンも多いようです。
こちらも、「羽振りのよさ」を見せつけて、好奇心を煽ることもあります。
アルバイトの話が人伝い
犯罪に絡むアルバイトの多くが、人伝いで人員を募集していることがほとんどです。
とくに、あまり親しくない知り合いや最近仲良くなった友人から、「知り合いが…」、「先輩が…」と切り出されたら注意しましょう。
ひと昔前には、「知り合いや友人の先輩などの引っ越しを手伝ってアルバイト代をもらう」などの話もありましたが、いまは、人伝いのアルバイトの話は怪しいと考えたほうが無難です。
最近では、アルバイトをさせるためにナンパをしたり、声をかけて仲良くなったりするケースも増えているので注意しましょう。
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犯罪バイトへ誘う具体的な手口
お金も結構くれるみたいだし。すごく簡単な、誰でもできる仕事みたい…」
このようなニュアンスで話を進め、食いついてくるかどうか、様子をみることが多いようです。
ここでもし、相手が興味を示していると感じたら、「封筒を受け取るだけで、1万円もらえるみたい」などと、上記のように具体的に話し、さらに興味を示すようなら実際にアルバイトをやらせてみるというのが手口です。
話の中だけで出てくる「知り合い」や「先輩」は、「怖い人」や「お金持ち」で、その人たちの怖さやお金持ちぶりを口頭で説明されたり、写真で見せつけられたりすることもあります。
ですが実際には、「知り合い」や「先輩」は存在せず、インターネットで拾ってきた画像などを使用して興味を持たせているという手口も多いです。
犯罪バイトを持ちかけた人物が主犯という場合もありますし、犯罪バイトを持ちかけた人物と指示を出す人物が「SNSのみで」、「たくさんの人を経由して」つながっていることもあります。
そのため、自分が逮捕されたときには何ひとつ手掛かりがないことが多く、主犯格に辿り着かないケースも多いです。
犯罪バイトに手を出さないために(1)
店舗の貼り紙を見て応募したり、ハローワークなどを通じてアルバイトを探したりすることで、犯罪バイトに手を出すというリスクが少なくなります。
もし、あまり親しくない知り合いや最近仲良くなった友人からアルバイトの話が出たときには、犯罪バイトの確率が高いので、下記の2点についてよく調べましょう。
1. アルバイトの募集をおこなっているのは、所在地などが明確な店舗や会社か?
面接や勤務が、その店舗や会社でおこなわれない場合は、怪しいので断るのが無難です。
2. アルバイトの内容に違和感がないか
「会社名」や「会社の所在地」、「代表者」、「連絡先」などを聞き取り、インターネットなどで連絡先を調べ、募集内容に間違いがないか問い合わせてみましょう。
また、アルバイト内容をインターネット検索にかけ、犯罪行為ではないかチェックすることをおすすめします。
犯罪バイトに手を出さないために(2)
現代は、ゲームのガチャ課金やアイドルのグッズ、ブランド品、自分へのご褒美や記念日などなど、お金を使いたくなるようなCMや仕掛けがたくさんあります。
けれど、その誘惑に簡単に飲みこまれていると、「お金が足りない」と借金をしたり、「儲かるバイトがしたい」と犯罪バイトに走ったりする確率が高くなります。
毎月自由に使える金額を設定しておき、その範囲で買える「本当に必要なもの」と、あとで振り返っても「買って良かった」と思えるものだけを購入するようにしましょう。
「儲かる」に気を付けて
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「儲かる」というキーワードだけに気をとられ、つい気軽に申し込みを考えてしまうことはありませんか?
そのアルバイトが犯罪だった場合、損害賠償などを支払うハメになるだけでなく、金額によっては財産を失ってしまうという可能性があります。
また、書類送検されたり前科がついてしまったりすることもありますので、今回紹介した手口や対策を参考に、知らないうちに犯罪に巻き込まれないよう気をつけましょう。(執筆者:山内 良子)