損害保険の見直しの際に、保険屋さんやFPが
といったアドバイスをされる事がよくあります。
火災保険などの損害保険は重複して契約していても、事故があった場合に2重で受け取れるということも無いので、無駄に保険料を払わないように1つにまとめるのはとても合理的な話です。
しかし、重複していると勘違いして解約して、起きてしまうトラブルについてお話したいと思います。
目次
個人賠償責任保険とは
自動車保険やご自宅の火災保険に加入された事がある方は、個人賠償責任保険は一度は耳にされた事があると思います。
この保険(特約)は自分や家族以外にケガをさせたり、モノを壊してしまったという際に相手への賠償を補償してくれるという内容です。
例えば、
・ 自転車に乗っていて人にぶつかりケガをさせた、飼い犬が散歩時に他人を噛んでケガをさせた
・ 自宅マンションの風呂の水があふれ下の階の家財を水浸しにしてしまった。
というように日常のさまざまな賠償事故を補償してくれます。
個人賠償責任保険のトラブル

個人賠償責任保険はこういった日常のトラブルに1人1人が加入しておく必要はなく、被保険者といって1人が加入すれば、その同居の家族と別居の未婚の子までは補償の対象です。
個人賠償責任保険は基本的に火災保険や自動車保険、傷害保険の特約として加入する事が多く、もし家族間で複数個人賠償に加入している場合は、補償が重複しており保険料が勿体ないので解約し1つにまとめた方が良いです。
注意点
子供が進学や就職で別に住んでいる際でも、別居の未婚の子として被保険者として認められ日常の賠償事故を補償ますが、子供が生活する住宅でのトラブルは対象外となっているケースが多いです。
例:父親が個人賠償責任保険を契約をしていた
その父親が住む家で水が溢れて下の階の家財を濡らしたという場合… 補償の対象
その父親の別居で未婚の子(通常は被保険者)が住む家で、同じように下の階を水浸しにする事故を起こした場合… 補償の対象外
単純に重複しているからと別居の子供の個人賠償責任保険を解約してしまうと、この場合は保険金が支払われずにご自身で下の階の方へ賠償をしないといけなくなります。

保険の見直しに「重複」の確認は必要ですが…
重複した補償を見直して年間数千円を節約しようというのは、とても素晴らしいことです。
しかし、目先の保険料の削減にとらわれてよく考えずに、何でもかんでも解約してしまうと、今回ご紹介したトラブルが起きて、逆に大きな金額を自己負担することもあります。
重複した補償を見直す際には支払い条件を細かくチェックし、本当に必要なものは削らないようにしましょう。
※2019年1月の改訂で東京海上日動火災保険の個人賠償責任保険では、補償範囲の拡充によりこの別居の未婚の子のケースでも補償されるようになりました。(執筆者:西田 凌)