毎日の管理から家賃保証まで、とても楽で安定した収入が見込める「サブリース契約」(一括借り上げ)ですが、今サブリース契約をめぐるトラブルが問題となっています。
今回は不動産投資のサブリース契約における問題点・注意点について解説していきたいと思います。

目次
家賃保証額の減額
サブリース契約にて一番問題になるのが、「家賃保証額の減額」です。
サブリース会社は「老後も安心な長期30年保証!」といった魅力的な広告や営業トークを行い契約を勧めてきます。
これを聞くと、あたかも30年間賃料が変わらず家賃保証が支払われると思いますが、家賃保証額の減額が行われないということは、まずありえません。
しっかりと契約書や広告を見直してみると、2~5年ごとといった期間で家賃の見直しを行う旨が記載されている場合が多くあります。
さらに契約書に特約として「家賃は減額することはできない」と記載されていたとしても、過去の最高裁の判例によると、特約よりも、民法の借地借家法32条の「賃料減額請求権」が優先され特約は無効という判決がくだされています。
借主が事業者(大手でも)だったとしても、「家賃の保証額は築年数が経過するごとに引き下げられてしまう場合がほとんど」ということは覚えておきましょう。
解約することが難しく、解約されやすい

先述のように、家賃の保証額が想定より低下することになり、もうサブリース契約を辞めたいと考えたとしても、サブリース会社は「借主」として保護される立場にあるため、オーナー側からは正当な理由がない限り簡単に解約できません。
一方、サブリース会社からの解約は入居者の権利として容易となっており、契約を打ち切られ、蓋を開けたら空室ばかりだったというオーナーもいます。
サブリース会社の倒産
現在サブリース契約の業務を主とする業界も、顧客の獲得競争激しくなっています。
そうなると、当然可能性として出てくるのが「サブリース会社の倒産」です。
サブリース契約は1棟全体をサブリース会社に貸しているわけですから、振込まれる前の家賃保証の回収および預けていた敷金の回収も困難になる可能性が高く、大きな損失となってしまいます。
きちんと理解してサブリース契約の検討をしましょう
サブリース会社は「オーナーはほったらかしでよく、空室が出ても今後何十年も家賃を保証します」と甘い言葉で誘惑し、サブリース会社に都合の良い計画をオーナーに示す場合が多く、契約を結んだ後にさまざまな問題が表面化しています。
今回ご紹介した注意点やデメリットなどをしっかり理解し、確認した上でサブリース契約の検討をしていきましょう。(執筆者:菊池 悠介)