投資信託に投資していると、定期的に運用報告書が送られてきます。
この運用報告書、小さな字で読みづらいと感じるかもしれませんが、投資家にとって有用な情報がいっぱいです。
どんな情報が記載されているのか
投資家としてどこに注目すればいいのか
を解説します。

目次
運用報告書とは
運用報告書は、購入後の投資信託がどのように運用されたかや運用にどれほどのコストがかかったなど情報がまとめられたもので、原則として投資信託の決算ごとに作成されます。
決算の頻度などにより異なってきますが、通常、投資信託を保有している投資家に年1、2回運用報告書が交付されます。
運用報告書には、「交付運用報告書」と「運用報告書(全体版)」の2種類があります。
交付運用報告書は最低限必要と思われる内容が分かりやすくまとめられていて、投資家に必ず交付されます。
一方、運用報告書(全体版)は、交付目論見書よりも詳しい情報が掲載されていて、投資信託を持つ投資家が希望した場合に交付されます。
具体的な投資先が分かる
運用報告書では、基準価額の推移や分配金の状況など、その投資信託に関するさまざまなことついて知ることができますが、注目したいのが具体的な投資銘柄が分かる点です。
例えば、株式に投資する投資信託では、具体的にどの株式にどれくらい投資されているかを知ることができます。
交付運用報告書では、上位10銘柄とその組み入れ比率が記載されています。
さらに、運用報告書(全体版)では、投資先銘柄の詳細や主要な売買銘柄なども知ることができます。
詳細なコストが分かる
交付運用報告書の「1万口当たりの費用明細」という項目も注目できます。
ここには運用期間中にかかった信託報酬などのコストがまとめられています。
例えば、株式に投資する投資信託では、売買委託手数料も記載されていて、株式を売買にするに当たってどれほどの手数料を支払われたのかをここで知ることができます。
絶対に確認 今後の運用方針

運用報告書の「今後の運用方針」という項目を見て、投資信託の今後の運用方針は必ずチェックしておきたい項目です。
今後も引き続きこの投資信託を持ち続けるかを決めるのに役立つ重要な情報といえるでしょう。
最初にこの投資信託を購入したときから運用方針が変わっていないのか、変わっているとすればそれを受け入れられるのかをここで見極めます。
運用報告書が交付される都度、自身の投資スタイルと投資信託の運用方針が一致しているかをしっかり確認しましょう。
年に1、2回は確認作業を
購入後、何も考えずに保有し続けられる投資信託があれば一番いいのですが、やはり定期的なチェックは必要となるでしょう。
具体的な投資先や運用方針は変わっていくこともあるからです。
運用報告書は、投資信託の投資先、コスト、運用方針などを知ることができる貴重な資料です。
投資家として年に1、2回交付される運用報告書の最低限の確認作業はしておきたいものです。(執筆者:潮見 孝幸)