買ってから長い年月のたってしまった仏壇は、どうしても色褪せやキズなどが目立ってしまいます。
しかも、お仏壇にはいろいろな仏具が納められているため、奥の隅々まで掃除をするのも簡単ではありません。
自分たちでは手に負えないよごれやキズは仏壇店に相談しましょう。
仏壇をきれいにするには主に3つの方法がありますので、費用相場と合わせてご説明します。
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目次
仏壇は、金仏壇、唐木仏壇、家具調仏壇に分けられる
仏壇の種類とその違いについて把握しておきましょう。
仏壇は、材質や仕様によってじつにさまざまな種類がありますが、大きく分けて金仏壇と唐木仏壇と家具調仏壇があります。
金仏壇
金仏壇とは、金箔や金具、その他にも漆や蒔絵や彩色などが用いられ、きらびやかに作られた仏壇のことです。
極楽浄土を表していることから、主に浄土真宗の仏壇として用いられています。
唐木仏壇
唐木仏壇とは、木で作られた仏壇のことです。
木目の美しさを生かした仕上がりが特徴的です。
ほとんどの宗派ではこの唐木仏壇を用います。
家具調仏壇
最近人気なのが家具調仏壇です。
仏間のない家が増えているため、リビングにも合うデザインが特徴です。
さまざまな材質やデザインがありますが、多くはウォールナットなどの木材が選ばれています。
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仏壇をきれいにする方法
1. 簡易クリーニング
簡易クリーニングとは、仏壇店によるお掃除です。
普段家の人がするよう掃除を、専門家がさらに隅々まで行います。
中の仏具をいったん外に出し、ほこりを払い、拭き掃除をして、そして再び仏具を元ある場所に戻します。
・ 費用相場:1~3万円
2. 専用薬剤による特殊洗浄
年月をかけてこびりついてしまったヤニやホコリは、一般的なお掃除ではなかなかきれいにできません。
ましてや、金箔は少し触わってしまうだけで剥げてしまうので、扱いに困っている人もたくさんいるでしょう。
こうした金箔や漆などをいためることなく汚れを落とすのが特殊洗浄です。
仏壇専用の薬剤を用いて表面の汚れを落とします。
自宅での現地作業と、工場での作業のいずれかの方法で行います。
3. 伝統職人による完全修復
古い仏壇を新品同様に仕上げるのが完全修復です。
工程は新しい仏壇を作り上げるのと全く同じです。
まずは仏壇を一度すべて解体し、それぞれの部材の漆や金箔などもすべて落とします。
そこから、木地のヤセや欠損部分を補充、補強し、漆で下地を塗り、金箔、蒔絵、彩色、金具などを施して、組み立てていきます。
表面的な汚れ落としだけではなく、木地の補正や建て付けも直してくれるので、仏壇を長く祀りたい人にとっては最も安心できる方法でしょう。
ただし、費用は高く、
・ 金仏壇:200~300万円
が相場でしょう。
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仏壇を長持ちさせる手入れの頻度
仏壇を長持ちさせるには普段からの手入れが大切です。
まずは家の人でできる範囲で構わないので仏壇を掃除してみましょう。
お仏壇を掃除すると心がすっきりし、ご先祖様も喜ばれるはずです。
そして、年に1度や法事毎などに、仏壇店にクリーニングを依頼するのが賢い方法ではないでしょうか。(執筆者:五十嵐 信博)