今週は、前週の下げから上げに転じて戻り高値を付け、その近辺でもみ合う雰囲気で、方向感なく一週間を経過しそうな雰囲気から、一気に週末に押す雰囲気を出しての週末入りとなりました。
今週の月曜日の高値が今回の戻り高値となるか? 来週に見極めとなると思われます。
もし下に離れていくのであれば、5月14日の安値の2万751円を終値で割り込んでくることで明確になりますが、実際のところはどうなるか見ものです。
また、週末の大引けにかけては、下げ幅を縮小する動きで陽線を形成し、ネット上では日銀による ETF 買いの観測となるも、マーケットがリスクオンの動きになるほどでもなく、 下げ止め程度となったと考えます。
連休明けからの調整入りとなった要因の米中貿易摩擦は、緩和する気配は無く、刻々と時間が経過しています。
この時間の経過が世界経済の悪化を生むことは、容易に想像が出来ることで、投資家たちが積極的に買いに回るのは、なかなか難しい市場状態と考えます。
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ただ、完全に売り一色とはならず、この週末のように、「押したら買っておこう」という動きもあるのです。
結果、この週末の動きは、節目としている2万1000円まで下げてくると買い方が出動してくるという相場状況です。
細かく見ると、上が2万1500円下が2万900円から2万800円辺りで、その抵抗帯に近くなると、反対売買が起きていると取れる値動きです。
従って、今週は、一旦上の節目に到達して、週末には、下の節目を確認するような値動きとなりました。
「週明け、このレンジから飛び出すか?」注目となるのですが、トレンドとしては、25日線が下向きで、25日線の下を推移していることを考えると、下に離れる可能性のほうが若干高いとは考えます。
そして、ファンダメンタルでも、上に書いた通り、なかなか世界的に悪材料中心であると、やはり、上放れを起こすには、サプライズな出来事が必要になると考えます。
テクニカル的には、下降を示すものが多いなか、一目均衡表では、今週、雲の中を推移し、週末に下に離れる時間帯があったものの、終値では中に戻って引けたことで、「下に行きたくない」という動きも見え隠れしています。
ただ、ボリンジャーバンドでは、前週書いた通り、-1σが上値抵抗線となっていることを考えると「上値は重い」というのが素直な意見です。
更に、今週の動きを細かく見ると、月曜日に今回の戻り高値を髭の先で付け、終値でも、5月14日の底入れからでは一番の最高値となりました。
火曜日からは、終値で切り下げ、水曜日には終値で切り上げるものの、月曜日の高値は超えることなく、小さいダブルトップを作って木曜日に押して終値・安値 共に切り下げ、週末金曜日に更に切り下げとなりました。
ですので、基本的に、今週の動きは「弱い」と考えられます。
しかし、週末の、2」1000円に触ってきたところは、逆張りの発想で見ると、買いの動作を少々すべきタイミングだったのが金曜の寄り付きかなとも考えます。
もちろん、強く買いの動作をするという事ではなく、あくまでも「打診的に」という事となります。
私的には、「6月の上旬から中旬までの押し」は、あり得ると考えています。
現状にて買い材料が乏しく、悪材料の出尽くしも見えないこの時期、「買いで仕掛けるタイミングがない」と考えます。
しかし、もし、 きっかけになれるとしたら、雇用統計か SQ 辺りになるのかなと思います。
結果的に、5月算出の SQ 値:2」1451円が、今週の戻り高値に対して意識されていると思わせる動きとなっていることで、「次の SQ 算出まで上への突破は難しいのかな」と考えています。
また、下に関しては、本格的に2万1000円を終値で割り込み、5月14日の安値を更新すると下への加速はあると考え、その先の下げ止まりポイントとしては、2万300円程度と考えます。
そんなに簡単に思い通りに動くのか? と言えば、そんなに甘くはないとは思うものの、未来のシナリオを立てることは必要で、それがブレたら修正の繰り返しです。
目次
現状分析
5日線
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今週は上向きで始まるも、週後半には向きを下へと変え、短期的に迷っているような値動きと見受けます。
位置としても、上に乖離して週が始まったものの、水曜日に上から下にまたいで乖離させ、週末は、下に乖離した状態で週末入りとなりました。
やはり、短期的に狭いレンジでの行き来と見受けます。
25日線
下向きのまま一週間推移しました。
位置も、下に乖離した状況のまま一週間を経過。 乖離を大きく広げることもなく、また極端に縮めることもなく、日柄調整のような横に推移する値動きで、グランビルの「売りの3」をイメージさせる状況で今週を終えました。
75日線
上向きを維持したままの一週間となりました。
位置は、下を推移しながら、週初めの2日間は触れたものの、上に出ることなく、叩かれるような形で、週後半は下に乖離となりました。
今回の戻りを試す場面では、上値抵抗線として機能したように見受けます。
トレンドライン
目先75日線が上値抵抗線として意識され、同じ位置に、戻り高値となる2万1500円どころの横軸が存在します。
併せて、その価格帯が SQ 値と28.2%の反発ラインとなっています。
その手前には、4月25日と5月22日の高値を結んだラインがあり、上値抵抗線となるか注目で、このラインが機能すると、下離れの可能性は増してくると考えます。
下に関しては、3月11日25日28日の安値の2万1000円どころが、 この週末もサポートラインとして機能しているように見受けます。
その下は、5月14日の安値の2万750円どころの横軸と 2月8日の安値の2万300円どころの横軸が気になるところで、この2万300円を割り込むと、下への加速は増し、昨年末の安値1万8948円が意識されると考えます。
テクニカル指標
一目均衡表
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現状、雲の中を推移し、方向感を示しきれずに迷っているように見受けます。
所々で雲の下に飛び出る場面も見受けられるので、「下への可能性が高いのかな」と感じます。
遅行線に関しても、日々線の下を推移し、雲の中にいることで、やはり、方向感を示しきれないと見受けます。
ただ、このまま下げるとなると、4日後に、遅行線と日々線の天底一致を形成することになることに注目したいと思います。
ボリンジャーバンド
バンドが開くのを継続しており、 今週、-1σを上値抵抗線とする値動きをしたことで、下へのバンドウオーク継続中と取れる状況です。
勢い良く下がれば、再度 -3σを意識すると考え、 -1σに触れると売り込まれる、という展開が想定されます。
逆に、-1σを上抜けたときに、この急激な下げが終焉になると考えられます。
スローストキャスト
完全には上げきれずにデットクロスとなったことで「弱さ」を感じるものの、50%より上まで上げてはきたので、完全に「弱い」とは言い切れないと考えます。
逆に、この後、下げ切らずにゴールデンクロスとなれば、下げ止まりを示すことになると考えます。
総合判断
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基本的には下の可能性が高いとみますが、いつ下げ止まるという展開になってもおかしくなく、この週末が2番底という可能性も感じます
。
下げ初めから17営業日、1番底から9営業日のこの週末、日柄的には反発の可能性を感じます。
ただ、連休明けからの調整開始で、この5月半ばに 一旦底入れとなったとすると、例年通りの動きなので、パターン的には、「6月半ばまで、再度 底値模索」が続くかなとも考えますが、どうなるでしょうか?
中期的な視点の週足も、トレンドが崩れ始め、月足にも不安が見えています。
やはり、「下に備えつつ打診買いレベルで備えるべきところにいる」というのが私の建玉の体制です。
現在、25日早朝の羽田空港におりますが、この週末のトランプ大統領来日の為、厳戒態勢で警察官が多数…何事も起きずに来日を終えてくれることを願います。
この来日での相場への影響は、限定的だろうとは考えます。では、良い週末をお過ごしください。(執筆者:城 晶子)