イデコ(iDeCo)とは個人型確定拠出年金の愛称です。
いわゆる「もう一つの年金」と呼ばれる制度です。
個人の老後の資産形成のために、個人の意思で加入し、掛け金や運用商品の選定を行います。
原則として20歳から60歳までの人が加入できます。
ただ、お金を引き出すには原則として60歳以降です。
しかし誰でも一度は「途中で亡くなったらイデコのお金はどうなるの?」と思うことがあるかもしれません。
本記事ではイデコの加入者が途中で亡くなったらどうなるのか? について考察します。
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目次
イデコ加入中に死亡すると、遺族が死亡一時金を受け取れます
前述のように、イデコは原則として六十歳まで引き出せません。
しかし、60歳になる前や、60歳以降に引き出す前に加入者が亡くなることはあり得ます。
そんな時は、遺族が「死亡一時金」を受け取れます。
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イデコの死亡一時金はいくらなの?
イデコは公的年金ではありませんので、かっちりといくらもらえる、というのは決まっていません。
つまりイデコの場合は、加入者一人ひとりで、掛け金・運用商品・加入期間が異なります。
そのため、人によって受け取れる金額が異なります。
一時金がいくらになるかの流れとしては、亡くなられた加入者の方の運用していた運用商品(預貯金タイプや投資信託など)を一度清算します。
そのため、その時の株式市場などの経済状況により、拠出したお金より増えていることもあれば、減っていることもあり得ます。
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あらかじめ遺族にイデコの情報を共有しておくとスムーズ
手続きは、まず亡くなった加入者のイデコ口座を開いている金融機関に遺族の方が連絡を取ります。
その後、案内される手続き方法に沿って行います。
加入者が亡くなった時は、イデコだけに限らず、遺族にとっては初めての経験が多く、何をどうしたら良いのかわからないものです。
まだ遺言状を作成していない人であれば、資産運用に関しては、できるだけ以下の点を配偶者や親族に伝えておくと良いと思います。
・ 窓口となる証券会社はどこなのか
・ その他に資産運用をしている証券会社がある・ない
これらだけでも分かるようにしておくと良いと思います。
現実問題として、亡くなられた方の銀行の通帳が見つからない、そもそも銀行名を知らないというのはよくある話です。
時間をかければ見つけることもできますが、家族が亡くなっている状態でお金のことを行うのは精神的に大変です。
イデコの情報に限らず、あらかじめ銀行名や証券会社名の一覧表を作っておくとよりスムーズに行くと思います。
イデコの資産は遺族の方が受け取れる
イデコの資産は遺族の方が受け取れます。
しかし各種の資産運用は本人が死亡したらおしまい、というわけではありません。
例えば、配偶者や子に資産を相続させることができます。
そうすると、資産はまた長い時間をかけて運用に回せるようになります。
それこそ、百年や二百年にわたり運用を継続できます。
そのため理論上は、資産自体は年をとりません。
いつまでも現役として社会の生産活動に参加して働けます。
このようにして考えると、また長期分散投資の「長期」の考え方に新しい見方ができるのではないでしょうか。
※統計的には資産運用は短期よりも「長期」で行う方が、運用成績は良くなることが知られています。
本記事が読者の資産運用の一助になれば幸いです。(執筆者:佐々木 裕平)