「お宝保険」は、金融関連の記事で時々見かける言葉です。
「お宝保険ってなんだろう?」と、興味や疑問を抱いた人もいるでしょう。
そこで、ここではお宝保険の内容や具体例を紹介します。
目次
こうして生まれた「お宝保険」
バブル期の日本は株価や預金金利が驚きの高さに
1986年(昭和61年)12月~1991年(平成3年)2月頃まで、日本はバブル期であったと言われます。
1989年の年末には日経平均株価が史上最高値の3万8,957円を記録しました。
現代と比べると、2019年5月17日の日経平均株価終値は2万1,250円。
トランプ大統領のツイ-トの影響でGW明けに下げた背景はありますが、その前でも2万2,000円台でした。
日経平均株価よりもっと身近な数字として、預貯金の年利をご紹介しましょう。
郵便局には半年複利、預入期間最長10年という「定額貯金」があるのですが、バブル期はその年利が8%でした。
信じられない高さでしょう。
10年預けておけば、元本が2倍を超えました。
安い保険料がずっと続くお宝保険
金利は保険会社の保険料に大きく影響します。
金利の影響だけで言えば、金利が低いと保険料が高くなり、金利が高いと保険料は安くなりるので、バブル期の保険料はとても安かったわけです。
保険料に適用される率は固定ですから、当時、保険料が変わらないタイプの保険に加入し見直しなどしていないなら、その保険は保険料が安いままです。
ここでいう「保険料が安い」の意味ですが、同じ年齢・性別の人が同じ保険に入った場合、今入った人に比べバブル期に入った人は保険料が安いということです。
その結果、
・ 支払った保険料の2倍・3倍の年金が受け取れる
・ 養老保険、医療特約付きでも満期金が累計保険料を上回る
・ 配当金が100万円を超えている
ということが起こります。
これが「お宝保険」と呼ばれるものです。
現在50歳以上の人の中に、そういう保険をお持ちの人が多いと考えます。
お得感抜群「お宝保険」いろいろ
実際のお宝保険の一例をご紹介します。
これらはバブル期が過ぎた後のものですが、それでもお得感は抜群ですので、お宝保険の部類だと考えます。
個人年金保険
お宝保険の場合
・ 契約日 平成5年6月24日
・ 契約者 31歳女性
・ 10年確定年金
・ 保険料払込満了・年金受取り開始共に60歳
・ 月額保険料7,000円(保険料総額243万6,000円)
・ 年金受取総額491万700円
・ 年金受取率201.6%
令和元年5月現在、個人年金保険に加入した場合
〇住友生命
住友生命の令和元年5月現在の加入例は、保険料の割引があり保険料払込満了後5年間寝かせてから年金受取り開始なので、保険料総額に対する年金受取総額の率という意味では、お客様に有利な設定です。
それでも、その率(年金受取率)はご覧のとおりです。
終身保険
お宝保険の場合
・ 契約日 平成6年10月11日
・ 契約者 32歳女性
・ 保障 1,000万円
・ 保険料払込満了65歳
・ 年額保険料 9万9,010円(保険料総額326万7,330円)
令和元年5月現在、同じ条件で終身保険に加入した場合
〇かんぽ生命…年額保険料30万5,573円(保険料総額1008万3,909円)
〇ソニー生命…年額保険料24万7,610円(保険料総額817万1,130円)
かんぽ生命は保険料総額が保障額を超えますが、現状、日本の生命保険会社ではこんなことは珍しくありません。
全額を前納したり一時払終身保険にしたりすれば、わずかですが保険料総額が保障額を下回ります。
参考までに、保険料が割安の「低解約返戻金型終身保険」の例もご紹介しましょう。
〇オリックス生命…年額保険料22万6,550円(保険料総額747万6,150円)
〇マニュライフ生命…年額保険料21万3,768円(保険料総額705万4,344円)
以上が、お宝保険の実例です。
個人年金保険は累計保険料の2倍以上に増えます(バブル期真っ只中の加入なら3倍以上にも)。
また終身保険は、保険料総額の3倍以上の保障を持てています。
当然ながら、お宝保険は今の保険より早くに解約返戻金が累計保険料を超え、返戻率自体も高くなります。
そういえば、「これ本当なのかな?」と言って、かんぽ生命の書類を見せて下さった60代後半の男性がいました。
書類はお母様の終身保険の内容説明でしたが、保障200万円に対し配当金が200万円を超えていました。
間もなくお母様が他界、男性は400万円以上を受取りましたが、これも紛れもないお宝保険でした。(執筆者:金澤 けい子)