iDeCo(以下イデコ)と呼ばれる税制優遇制度があります。
これは老後のための資産形成を「自分で行う」ための制度です。
そして、このイデコと呼ばれるいわば「もう1つの年金」では運用商品も自分で選ぶ必要があります。
運用商品には、大きく2種類あります。
2. 価格変動リスクのある投資信託
本記事では、2.の価格変動リスクのある投資信託の1種類である「バランス型投資信託」の中身とデメリットについて考えてみたいと思います。
債券を含んでいるバランス型投資信託は、株式主体の投資信託よりもリスクが低いです。
そのため、安心感があるので選んでいる人も多いです。
ところが、期待リターンが株式主体の投資信託と比べると低いので、あまりお金が大きくならない可能性もあります。
それでは詳しく見てみましょう。
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目次
投資信託の種類にはどのようなものがあるのか
投資信託とは「入れ物」のようなもので、株式・債券・金・不動産・商品などを入れた多様な種類があります。
その中でも伝統的な投資対象と言うと、株式と債券の2種類が挙げられます。
その他に「金・不動産・商品」などもありますがこれらは代替資産と呼ばれます。
本記事では伝統的な投資対象である、株式と債券の2種類に焦点を当てて投資信託を考えます。
バランス型投資信託とは、そのメリットを解説
では、本記事のテーマであるバランス型投資信託とはどのようなものでしょうか。
一般的には「国内外の株式と債券を入れた投資信託」です。
この、国内外の株式・債券というように、異なる種類の資産を組み合わせることによって、次のメリットが生まれます。
これは分散による効果です。
少し難しい言い方をしますと、「リスクを抑えられる」ということです。
ここでのリスクとは、値動きの幅やリターンの散らばりという意味合いです。
バランス型投資信託のデメリット
一般的に人は損失が嫌いですので、リスクが低くなるバランス型の投資信託を好むと思います。
しかし、バランス型の投資信託には次のようなデメリットも同時に存在します。
期待リターンとは確約された利回りなどではなく、「将来のことはわからないが、このくらいのリターンが期待できるのではないか」というおぼろげなリターンの数字を指します。
実は、投資の世界ではリスクとリターンはおおむね比例すると考えられます。
そのため、バランス型の投資信託を選択すると、確かにリスクは下がるのですが、同時に期待リターンも下がってしまうというデメリットも持っています。
期待リターンが高い投資信託は、株式主体の投資信託
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それでは期待リターンが高いと考えられるリスクの高い投資信託とはどのようなものでしょうか。
それは、株式主体の投資信託です。
国内外の株式に分散投資をしたものがそれに当たります。
一例を挙げると次のようなものです。
イデコの商品群の中に、ほぼ確実にあるでしょう。
例2. 先進国株式:MSCIコクサイインデックスに連動することを目指すインデックス型投資信託
バランス型の投資信託は株式と債券のミックスです。
しかし、株式主体の投資信託は入れ物の中に複数の株式だけを入れた投資信託、というイメージです。
これはリスクが高いです。
激しい年には3割以上も価格が下落することもあり得ます。
しかし、長期で見るとバランス型投資信託よりも大きなリターンを得られる可能性があります。
一概には言えませんが、期待リターンの一例を挙げると、
のではないかと考えられます。
これは世界中の投資家が、リスクを正確に評価できていればそうなると考えられる数値です。
結局どのタイプの投資信託を選んだらよいのか
筆者の考える資産運用の考え方は大きく2つあります。
あるいは、
2. 期待リターンの最大化を考える
多くの方は1.の自分が一番納得の行くリスクの範囲内で、リターンの最大化を考えると思います。
しかし、あまりにも慎重になりすぎてリスクを抑え過ぎたがゆえに期待リターンが低くなりすぎる懸念もあります。
極端な例を挙げると、いま20代の方がずっと元本保証の預貯金タイプで運用をすると、ほとんどリターンを得られない可能性があります。
これでは老後のお金を用意できなくて困るかもしれません。
長期投資ならリターンの最大化を考える
あくまでも個人的な意見ではありますが、イデコのように長期投資を目的とした制度においては、1.よりも2.のような「できるだけお金を大きくする」という考え方の方が、より合理的ではないかと考えます。
これが結論です。
本記事が読者の方の、合理的な資産形成の一助になれば幸いです。(執筆者:佐々木 裕平)