毎日毎日雨ばかりで憂鬱な気分になってしまう季節ですが、そんな梅雨の時期に増えるのが「雨漏り」です。
雨漏りが発生してしまうと、建物や設備に大きなダメージを与え、さらに入居者の家財を汚損・破損させてしまう可能性も十分考えられます。
しかし賃貸経営の天敵とも言える雨漏りにもかかわらず、実際に雨漏りが発生してしまった後に工事など対処を行う方がほとんどです。
実は、雨漏りが発生してしまった段階では症状がかなり悪化している場合が多くあります。
そこで今回は、実際に雨漏りを「予防」するためのセルフチェックの方法について確認していきましょう。

目次
雨漏りの原因特定は難しい
雨漏りとは雨水が建物内に意図せず侵入してしまうことを言います。
となんとなく考えてしまいますが、実際には外壁やサッシ、窓などさまざまなケースが存在します。
さらに、いくつもの原因が重なり合って発生している場合も多く、専門家でも完璧に雨漏りの原因を特定することは難しいとされています。
その他に
「給排水管からの漏水だった」
などといった雨水以外の水に関連する問題もより原因特定を難しくしています。
しかし、原因の特定が難しいからといって雨漏りを放置するわけにはいきません。
カビや腐食による建物への被害だけでなく、入居者の健康被害の心配もあります。
漏電やそれに起因する火災による命の危険も考えられます。
次々に被害が拡大してしまうのが雨漏りの怖さです。
雨漏りのセルフチェック

大事になる前に、まずはご自身で下記の雨漏りの可能性となる箇所をセルフチェックして未然に防ぐ努力をしていくことが大切です。
雨漏りの点検、セルフチェック箇所は次の通りです。
1. 屋根
・ 瓦やスレートの老朽化による傷み、割れ、ずれ。
・ 棟板金の変形・ずれ、隙間のシーリングの収縮。
・ 屋根裏の木材の雨染み、防水シートやルーフィングの劣化。
※ただし、2階以上の屋根等に直接登るのは危険ですので目視できる範囲に留めてください。
2. 外壁
・ 外壁にシミができていないか。
・ 外壁のひび割れ。
・ 外壁の目地部分のシーリングの劣化、ひび割れ。
3. 屋上・ベランダ・バルコニー
・ シミやカビが生えていないか。
・ ひび割れ。
・ 排水口のつまり。
・ 防止塗装の劣化。
4. 室内
・ 壁や天井がシミや膨らみ、水分を含んでいる箇所がないか。
・ クロスの剥がれ。
・ 寒くないのにサッシが濡れてないか。
・ サッシのコーキングの劣化、ひび割れ。
・ カビ臭くないか。
セルフチェック後の不安は専門家に相談
今回ご紹介したチェックポイントに当てはまる項目が多ければ多いほど、雨漏りを引き起こすリスクが高くなります。
チェックした結果、不安を感じる方は一度専門家に相談のうえ、建物診断や防水工事を依頼することを検討してみてください。(執筆者:菊池 悠介)