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医療費控除
ここ十数年程で医療費控除という言葉が世間一般に浸透してきて、1年間にかかった医療費の領収書を税務署へ持参し、確定申告をするという方が増えています。
これは私が税務署に勤めていた時の話になりますが、確定申告時期に確定申告コーナーにいらした老婦人が
とうれしい顔をされて来所されました。
手続きを進めようと昨年の源泉徴収票を拝見すると、納税額が0円だったので、結局お返しする税金がないという結末になり、すごくがっかりされて帰宅されたのを思い出します。
医療費の還付は収めた税金から医療費の金額割合に対して戻ってくるもので、医療費が年間10万円以上になったからと、全員が対象ではありません。
先ほどの老婦人のように収入があり源泉徴収票があっても、納税額が0円では戻ってくる税金がないという事になります。

所得税率が高い=年収が高いではない
年収と所得、何が違うのかよく分かっていない方も少なからずいると思います。
所得… 税額表に基づいて諸経費額を引いたあとの数字
さらにそこから社会保険料や、扶養控除、基礎控除等、個人個人の状況等で変わってくるものを差し引きし、残ったものが「課税される所得」となります。
「課税される所得」の金額に対して所得税率が決まります。
医療費控除の計算式
実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額-10万円。
計算式で残った金額 × 所得税率
例1:医療費が年間20万円かかっているAさんの所得税率は5%
例2:医療費が年間20万円かかっているBさんの所得税率は10%
どちらも保険金などで補填される金額は無しと仮定します。
20万円-10万円=10万円
10万円×5%=5,000円
還付される税金は5,000円
20万円-10万円=10万円
10万円×10%=1万円
還付される税金は1万円
このように「課税される所得金額」に適応される所得税率の高い人が、医療費控除をすることにより、支払った医療費が同じでも還付金額が変わってきます。

注意が必要なケース
収入は旦那さんの方が多いのに、奥さんの方が所得税率が高いケースがあります。
理由として多いのは、お子様の扶養をすべて旦那さんに付けているケースに多くみられます。
お子様が16歳未満の場合は所得税の扶養対象ではないのですが、16歳以上のお子様を扶養されている場合、「課税される所得税額」が旦那さんが圧倒的に少なくなるケースがあります。
よって税率が旦那さんの方が低く、奥さんの方が高いというケースもありますので、その場合は奥さん名義で還付申告をするのが賢いでしょう。(執筆者:田中 あかり)