日常生活で「トレードオフ」という言葉を耳にする機会は少ないかと思いますが、私たちの日常はこのトレードオフで溢れています。
実は、保険を考えるうえでこのトレードオフの概念を知っていると、その保険が必要なのかどうかなどをよりスムーズに判断できます。

目次
トレードオフとは
トレードオフとは、何かを達成するためには別の何かを犠牲にしなければならない関係のことを指します。
いわゆる「あちら立てれば、こちらが立たぬ」のことです。
身近なの事象では、時間をどう使うかということでしょう。
「今までやっていなかった勉強の時間を確保するには、リラックスする時間やその他の時間を削る必要がある」といった具合です。
トレードオフでは、その選択をしなかったことによる損失を「機会費用」と呼びますが、どちらの損失が自分にとって大きいのかを天秤に掛けるわけです。
そして、それらをきちんと判断するために、何と何がトレードオフの関係にあるのかをきちんと把握することが重要です。

保険を考えるうえでのトレードオフとは
少し前置きが長くなりましたが、保険を考えるうえでこのトレードオフの関係にあるものは何なのかを確認してみましょう。
保障内容と保険料
保険のトレードオフで一番悩むのは、この保障内容と保険料でしょう。
保障内容を手厚くしたいと思ったらその分保険料は高くなります。
反対に保険料を抑えたいという場合には保障内容は薄くなります。
保険料が安くて、保障が手厚いという保険というのは基本的にはないと思いましょう(ここで勘違いして欲しくないのは、他社の商品と比べ安い、手厚いという話ではないということです)。
保障と貯蓄
もう1つご紹介します。
保険に加入していれば保険の支払い対象となった際に保険金を受け取ることができますが、保険料を支払う分貯蓄に回すお金が減ってしまいます。
しかし、だからと言って保険に加入していない場合、貯蓄は増えるかもしれませんが、万が一の際には貯蓄から賄う必要が出てくるというのもトレードオフの関係と言えるでしょう。

トレードオフとどう向き合うか
2つのトレードオフの関係をご紹介しましたが、保険を検討するうえではこの関係にあるもの同士はどうしようもないと割り切ることが大事です。
そうでなければいつまでたっても「でも」、「もし」といつまでたっても決断できない、もしくは、契約した後もモヤモヤしてしまうでしょう。
また、解約を検討している時に踏ん切りがつかずに加入し続けているのは、「保険を解約して無駄にせずにすんだ保険料を失わずにすんだ機会」を逃していると言えるでしょう。
先にも書きましたが、保険の検討をスムーズにするためには、それぞれを選択しなかった時の損失が自分たちにとってどちらが良い結果、そして悪い結果となるのかを把握することです。
保険で悩んだらトレードオフの視点で割り切る
保険について知れば知るほどいろいろな可能性が見えてしまい、決めきれずにずっと悩んでしまうという方は、実は多いのです。
このように悩んでしまった場合には、トレードオフの視点から割り切るしかないと考え、保険の見直しを一歩進めてみてください。(執筆者:西田 凌)