老後の資産作りのために不動産投資を始める方が増えています。
不動産投資は、株式投資やFX投資に比べるとリスクが低いミドルリスク・ミドルリターンの投資と言われていますが、投資の仕方を間違えると投資金額が大きいだけにやり直しが難しく、最初の物件購入が非常に重要になります。
初心者が取り組み安い不動産投資と言えば、少ない自己資金でできる築古戸建投資や融資の使える築古ワンルームマンション投資があります。
今回は、築古ワンルームマンション投資について解説します。

目次
築古ワンルームマンション投資とは
不動産投資にもいろいろとありますが、やはり王道は居住系で、ワンルームマンション、ファミリーマンション、戸建て、一棟アパート、一棟マンションなどがあります。
その中で築古ワンルームマンション投資では、築年数15年~25年経過したワンルームマンションを購入し賃貸する不動産投資です。
新築ワンルームの場合は売主であるデベロッパーから物件を購入しますが、築古ワンルームは市場に流通している物件を購入します。
オーナーチェンジ物件と空室物件
築古ワンルームマンションには、すでに賃貸中の「オーナーチェンジ物件」と「居住者のいない空室物件」があります。
オーナーチェンジ物件は、すでに入居者がついているので安定した収入を得られるというメリットがあります。
しかし室内を見ることができないので退去後、大きなリフォームが必要なケースがあるかもしれませんので入居者の居住期間には注意が必要です。
空室物件は、所有者や入居者が退去しているので室内の確認ができ、リフォーム費用など含めて価格交渉ができるメリットがあります。
しかし、空室状態なので入居者が決まるまでは銀行への返済や管理費・修繕積立金を支払わなければいけません。
空室物件だと、リフォームをすることで家賃を上げることも可能ですが、最初の物件は費用のことも考えるとオーナーチェンジ物件を購入する方が良いでしょう。
築古ワンルームマンション投資のメリット
築古ワンルームマンション投資には、
・ 立地や階数を選べる
・ 新築に比べて家賃が安定している
・ 融資を使うことで少ない自己資金で投資ができる
といったメリットがあります。

1. 立地や階数を選べる
築古ワンルームマンションであれば、都会の駅前といった好立地物件を購入することができ、1階やエレベーターのない5階など人気のない階数は避けられます。
2. 新築に比べて家賃が安定している
新築の場合は、プレミアム賃料となっているので高い賃料を得ることができますが、入れ替わりや築年数が経過すると家賃は下落していきます。
築年数が15年を超えてくると下落は止まり安定してくるので、収益を計算しやすく物件の価格も下がりにくくなります。
3. 融資を使うことで少ない自己資金で投資ができる
融資が厳しいと言われていますが、築年数15年~25年程度の新耐震基準のワンルームマンションはまだまだ積極的な金融機関もたくさんあります。
新耐震基準の物件であれば、融資期間も25年~30年程度組めるケースもあります。
物件価格の8割~9割程度で融資してもらえるので、価格1,000万の物件の場合は200万~300万あれば購入ができます。
築古ワンルームマンション投資のデメリット
・ 金利が高くキャッシュフローが少ない
・ 物件を増やすのに時間が掛かる
・ 管理費・修繕積立金の値上げリスク
などがあります。
1. 金利が高くキャッシュフローが少ない
一棟アパート投資では金利1%台と安い金利が適用されますが、築古ワンルームマンションは2%以上とアパートに比べるとどうしても高くなります。
そのため毎月の返済金額が大きく、価格1,000万、利回り6%(年間収入60万)の物件だと管理費・修繕積立金、管理手数料、固定資産税などを支払うと年間の税引き前の手残りは10万程度しか残りません。
2. 物件を増やすのに時間が掛かる
アパートであれば1棟購入すれば一気に戸数を増やすことは可能です。
しかし、築古ワンルームマンションの場合は、自己資金が少なくて済むと言っても200万から300万必要ですから、1戸ずつ購入していくことになるので物件を増やすのに時間が掛かります。
3. 管理費・修繕積立金の値上げリスク
築古ワンルームマンションは分譲マンションのため、日々の建物管理や大規模修繕のために管理費・修繕積立金を支払う必要があります。
ワンルームマンションは新築時に特に修繕積立金を低く設定していることが多く、築年数がたつと不足する金額分を値上げするケースがあります。
そうなると収益に大きな影響が出てしまうので、購入前には修繕積立金の値上げがあるか調査しておく必要があります。
利回りが高い地方よりも利回りは低くても都心部の物件

せっかく不動産投資をするのですから収益を上げたいと利回りの高い物件を購入したいと考える人も多いと思います。
しかし、地方の築古ワンルームマンションの利回りは高いですが、家賃は安く、管理費・修繕積立金を支払うと実質の利回りは低くなるケースが多いです。
さらに、空室リスクを考えると融資を使って長期的に所有するのには向いていません。
その点、都心部のワンルームマンションは、利回りは低いですが家賃は地方に比べると高く安定しており首都圏だと値上げできるケースもあります。
そして好立地の物件であれば空室リスクも低く抑えられるので安定した運営ができます。
築古ワンルームマンション投資は、大きな収益を得るのは難しいですが、空室リスクも少なく、家賃も安定するので、初心者におススメの投資だと思います。
コツコツと資産を増やしたい方はぜひ築古ワンルームマンション投資を実践してみてください。(執筆者:山口 智也)