米国株で長期的に資産を育てていきたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
そのような目先の利益よりも長期的な視点で資産運用をしている方におすすめの仕組みがDRIPです。
米国株を保有していると銘柄によっては配当金を受けとることができます。
一方で、配当金を受けとると税金もかかりますし、受けとった配当金を無駄づかいしてしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、DRIPをうまく利用すれば配当金をお得に運用することができ、長期的に資産を育てやすくなります。
そこで本記事では、米国株投資をしている日本人のためのDRIPについて解説します。
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目次
DRIPは配当金を現金で受け取らずに再投資する仕組み
DRIP(Dividend Reinvestment Plan)は、日本語でいう配当再投資制度のことです。
簡単に言えば、
です。
受けとるはずの配当金を自動的に株式購入にあてることができます。
アメリカでは昔から普及している制度で、日本でも昔から米国株投資をしている人には広く知られている仕組みです。
特に長期投資と相性がよいと言われています。
DRIPのメリット
と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
確かに自動的に再投資してくれると手間が省けるというのがメリットですが、それだけではありません。
DRIPを使うことで
2. 配当金を再投資することで複利的に資産を増やせる
という2つのメリットがあります。
再投資することで手元の口座に振り込まれる配当金は課税対象になります。
しかし、手元に振り込まれる配当金が自動的に再投資されることで実現益にはなりません。
すると、配当金を受け取るたびに税金がかかるということにならないため、長期的にみると自分で再投資するよりもお得なのです。
また、単利と複利の違いは投資家の間でも有名な話です。
複利とは、一定期間ごとに利息を元本に組み入れることです。
言いかえれば、
ということです。
株投資においても、利息の代わりに配当金を元本に組み入れることで複利と同じような効果を期待できます。
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DRIPを利用できる証券会社はどこか
DRIPを利用できる証券会社は限られています。
日本の大手ネット証券のSBI証券や楽天証券、マネックス証券では現在DRIPに対応していません。
現在、日本の証券会社でDRIPを利用するならサクソバンク証券です。
それ以外は、外国籍の証券会社になります。
【日本】サクソバンク証券
【米国】
Firstrade
インタラクティブ・ブローカーズ
代表的なのはこの3社です。
しかし、Firstradeもインタラクティブ・ブローカーズも外国籍の証券会社のため、日本の税制下では損失を翌年に繰り越せないなどのデメリットがあります。
この中で、現在のところ日本人投資家が1番利用しやすいのはサクソバンク証券でしょう。
しかし、サクソバンク証券も特定口座に対応していないため、確定申告が少し面倒になるかもしれません。
ちなみに、W-8BENという米国軽減税率の書類を証券会社に送り、米国の居住者ではないことを証明できると配当金を受け取るときに米国でかかる30%の源泉徴収を10%に抑えられます。
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アメリカ側で源泉徴収された配当金が、DRIPでは再投資にあてられるということです。
再配当の端株の扱いに注意
DRIPは配当を再投資する仕組みですが、証券会社によって微妙な違いがあります。
1株の株価に満たない配当金も端株で買い足し・再投資ができる。
サクソバンク証券の場合:
1株の株価に満たない配当金では、端株の買い足しができない。
このような違いがありますので注意が必要です。
言い換えると、サクソバンク証券では投資額が小さく配当金も1株に満たない程度だとDRIPはできないのです。
ただし、米国株の取引環境は、日々変わっているのでDRIPしやすい取引環境が当たり前になる日も近いかもしれません。
長期投資家に有利なDRIP、利用しやすくなる日が待たれます
DRIPは、米国株の配当金を再配当することで複利的に資産を育てることができる長期投資家にとって有利な仕組みです。
現時点では日本でDRIPを利用できるのはサクソバンク証券や海外証券などに限られています。
また、サクソバンク証券においても半端な配当金は再投資にあてることができません。
日本でもDRIPしやすい環境が整備される日が待ち遠しいですね。(執筆者:田守 正彦)