あなたは数年先、10年先に向けてお金を有効に使えていますか?
もし、
「なかなかお金が増えていかない」
とお悩みの方は、今からでも遅くないので「金融リテラシー」を学び始めてみてはいかがでしょうか。
金融リテラシーとは、お金にまつわる悩みを解消し、自分の人生を豊かにしていける知識やスキルです。
金融についてもっと詳しくなることで、日々のお金の使い方や貯め方を見直すことにもつながります。
今回は、ご自身の金融リテラシーを試す2つの質問を用意しました。
ぜひ、現在のお金の知識レベルを理解し、金融リテラシーを学ぶきっかけへとつなげてみてください。
目次
金融リテラシーを身につけて豊な生活を手に入れる

金融リテラシーとは、日々の生活に欠かせない金融の知識やスキルのことです。
家計管理はもちろん、資産形成、金利、ローン、経済といった諸々の知識を指し、これらを身につけることで、自身のライフスタイルをより豊かに実りあるものにしようという考え方です。
今でこそ金融に関する教育機関も増えてきつつありますが、40~50代の方の場合、お金に関する適切な学習を受けてこなかったという方も多いのではないでしょうか。
しかし、金融リテラシーを学ぶのは、今からでも決して遅くはありません。
「日々の家計管理に悩んでいる」、「なかなかお金が貯まらない」という人にほど、今回お伝えする金融リテラシーの2つの質問が役に立つはずです。
以下の質問は、「必ずしもこうしなければいけない」という明確な答えを提示するものではありません。
行動方針は人それぞれなので、あくまで金融リテラシーの向上の参考までにご確認ください。
質問(1) 金利と物価の関係
現在の日本の(政策)金利が1%に設定されていたとしましょう。
単純に計算すれば、銀行にお金を預けておけば、年に1%ずつ預金額が増えていくことになります。
その反面、国内の物価は毎年3%の勢いで上昇しているとしたら、あなたはお金をどのように使いますか?
※今回の数値はあくまで一例です
・回答(1) 銀行に預金して1%ずつ利息を増やす
・回答(2) 銀行預金以外の資産運用を行う
・回答(3) 貯金や資産運用をせず、お金があるだけモノを買う
質問(1) の回答
銀行にお金を預けるときは、物価、すなわちデフレやインフレのことも考慮しなければ損をしてしまいます。
お金はモノの値段と比較して価値が決まるため、デフレとは物価が下落する代わりにお金の価値が高くなり、インフレとはお金の価値が下がって物価が上昇していくことです。
先の質問では、確かに銀行に100万円を預けておくと1年後に1万円の利息が受け取れます。
しかし、物価は金利を上回る勢いで上昇している(インフレ)ため、1年後にはモノの価値が高くなる代わりに、お金の価値が下がってしまうのです。
1年後の銀行口座には101万円が入っています。
一方、その1年前に100万円で購入できた商品は103万円(物価上昇率3%)になっているため、銀行にお金を寝かせておくことで価値が減少してしまいました。
これは現在の日本の状況とよく似ていますが、下がり続ける円の価値を補うには、回答(2)か(3)が適しているといえるでしょう。
ただし、回答(2) の場合は物価上昇率以上の利回りが期待できる金融商品でなければ意味がないということ、(3) は貯蓄ができず将来的なリスクが高まることに注意してください。
質問(2) 為替相場とライフスタイル

現在の日本の為替相場は、1ドル=120円で円安方向に振れていたとしましょう。
さて、この場合、少しでも円安のメリットを享受するために取るべき行動はどれになりますか?
※今回の数値はあくまで一例です
・回答(1) 保有しているドルやユーロを売る
・回答(2) 海外旅行に出かける
・回答(3) 日本円の保有量を増やす
質問(2)の回答
ニュースや新聞などでよく目にする「円安・円高」という言葉ですが、金融リテラシーを身につけるうえで両者は欠かせません。
今回の質問では円安に振れているということですので、「円の価値が下がり」、「ほかの通貨の価値が上がっている」という状態です。
たとえば、アメリカへ旅行するために日本円を米ドルに両替したとしましょう。
もし、1ドル=80円という円高傾向のときは、米ドルを1枚80円で買う(両替)することができます。
しかし、円安に振れてくると、今度は1枚の米ドルを買うのに120円もかかってしまいます。
つまり、回答(2) の海外旅行へでかけるという選択肢はコストが高くなってしまうため、現実的ではありません。
一方で、現在米ドルを保有している状態だと、円高のときは80円でしか売れなかったものが、円安によって120円で売れることになるのです。
よって、保有しているドルやユーロなどを日本円に変える(売る)という選択肢(1) は理に適っています。
また、選択肢(3) も円安時に適した行動です。
為替相場は常に上昇と下落を繰り返しているため、現在の円安もいずれは円高になるときが来ます。
そのため、
「円高になったときに安値で海外通貨を買う」
「再び円安になれば海外通貨を売る」
というルーチンをとると、投資で成功をおさめやすいといえるでしょう。
私たちの生活に直接かかわる金融リテラシー
金融リテラシーを身につけることは、日々の生活をより豊かにし、そしてお金の悩みを解消するために役立ちます。
今回は、金融リテラシーに関する2つの質問を行いました。
金利や物価、そして円安・円高といった考え方は、金融リテラシーのなかでも基礎にあたります。
難しそうな経済用語にも思えますが、私たちの生活と密接なかかわりがあるため、覚えておいて損はありません。(執筆者:柳本 幸大)