個人の持つ資産は預貯金に代表される安全資産と株式や不動産、投資信託といったリスク資産に大別されます。
もしもの時のために安全資産を確保するべきである一方、給料の増額や景気の上昇が見込めない現代では、ある程度リスクをとって資産を増やす努力をする必要性も出てきました。
そこで今回はリスク資産と安全資産の配分方法について1つの考え方をご紹介します。
目次
リスク資産と安全資産とは
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資産の種類には
・ 現金、預金といった「増えはしないけど減りもしない」タイプの資産(=安全資産、無リスク資産)
・ 株式や新興国債券、不動産など「大きく増えるかもしれないけど大きく減るかもしれない」タイプの資産(=リスク資産)
があります。
その時代の情勢に依るため明確に区切りがある訳ではありませんが国内債券は安全資産に分類される事が多く、一方で預金の中でも外貨預金は為替リスクや預金保険制度適用外である観点からリスク資産に分類されます。
この安全資産とリスク資産をそれぞれどのくらいの配分で保有するかが資産運用で最も重要なポイントになります。
資産配分に決まった方法はない
資産全体の中でリスク資産を何割程度持てるかをリスク許容度と言います。
リスク許容度は個人によって異なり、正解とされる配分がある訳ではありません。
心配性でリスク資産を持ちたくない場合や、身体が弱くていつまで働けるか分からない、子供がたくさんいるので学費が多くかかるなど、その人自身の性格や生活背景などのさまざまな因子が関係してきます。
重要なのは
「セールスマンにこう言われたから」
といった他人の軸で決めるのではなく、自分自身の状況をよく把握した上で資産配分を決める事です。
とは言ってもそれだと何から決めれば良いのか分からなくなってしまうので、1つの目安として年齢をベースにしたリスク許容度についてご紹介します。
リスク許容度は年齢に反比例する
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リスク資産を持ち始めるタイミングとしては、老後資金が気になり出した時やファイナンシャルプランナーに勧められた時などさまざまなパターンがありますが、まずは年齢によらず
が大前提になります。
は確保し、これを安全資産として計上した上でリスク資産の配分を考えていきます。
リスク許容度は前述のように人によってさまざまですが、一般的に年齢が若い程リスク許容度は高くなります。
これは、仮に資産が目減りしたとしても収入によって補う事ができるためです。
反対に、現役引退後であれば資産が目減りしてしまうと収入で補填する事ができないので、リスク資産を多く持つことはお勧めできません。
リスク資産の中には長期保有する事でリスクを抑えられる性質のものが多くあります。
そういった性質の資産は若ければ若いほど保有期間を長くできるので、割合としてリスク資産が多くなっても高齢の人よりもリスクが低減されるのです。
この「収入による補填」と「長期投資の安全性」の観点から、
と考える事ができます。
注意が必要なのは、このことは資産全体の金額の話ではなく、あくまで資産の中の割合の話であるという点です。
貯金が少なくても若ければ借金をしてでも投資をした方が良いということではなく、若い人は手持ちの資産の中のリスク資産の配分を高くできる、というだけのことです。
年齢とリスク資産、安全資産の配分割合の関係
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それでは実際に年齢によってリスク資産の割合をどの程度まで許容できるかというと、単純な計算方式として
であれば良いというのが1つの考え方として挙げられます。
これはつまり「(100−年齢)=リスク資産の割合の最大値」と言い換えられます。
30歳であれば70%程度までリスク資産を持つ事ができ、60歳であれば40%までに留めた方が良いという事です。
もちろんこれは1つの目安であり、これをベースに個人の性格や生活背景によって上下させ、自分にとってベストな割合を見つける必要があります。
この割合を超えてリスク資産を持っている場合には、資産が目減りしてしまった時の対策を考えておいた方が良いかもしれません。
自分の「リスク容赦度」を理解する
かつて経済成長期にあった日本では、資産運用など考えなくとも年齢とともに給料が伸びていき、老後の生活は年金で賄う事ができました。
しかし、現在の日本では給料が伸びない上に増税が繰り返され、年金の減額、受給年齢引き上げまで重なって老後への不安が高まっています。
そういった背景から資産運用への関心が高まっていますが、リスクを取りすぎる事もまた老後破綻を引き起こす危険性を孕んでいます。
自身のリスク許容度を理解した上で最適な配分を見つける事が大切です。(執筆者:島村 妃奈)