大きな台風の被害が続きます。
ちょっと前までは「災害は忘れた頃にやってくる」と忘れないように戒めることをよく言われましたが、今ではちょっと暑くなってくると、慎重に台風情報をチェックするようになりました。
台風や地震等の災害で「家が壊れて住めなくなった」などの際に、国から支援金が出るしくみが「被災者生活再建支援制度」です。
どんな制度か、一緒に確認してみましょう。

目次
相互扶助の観点から生まれた支援制度
被災者生活再建支援制度は1998年に成立した被災者生活再建支援法の制度で、1995年に発生した阪神淡路大震災の反省を元に成立した法律の制度です。
自然災害の被災者に援助の手を差し伸べる内容となっています。
被災者生活再建支援制度の内容は、自然災害で住んでいる家が「全壊」など住めない状態になって、大きな被害を受けた世帯(被災世帯)を救うため、「支援金」で生活を立て直す支援をするものです。
それまで「支援法」の申請手続きは複雑で、タダでさえ自然災害で住む家が壊れた世帯に大きな負担となっていました。
2007年、一部の国会議員の働きかけで改正し、使い勝手がよい制度になったようです。
2011年の東日本大震災被災者の方から、大いに感謝された改正といわれています。
改正の働きかけを行った議員の1人、赤羽衆議院議員が2019年秋に国土交通大臣に就任したのは、タイムリーな組閣と言えるかもしれません。
実際にはどうやって助けてもらうの?
制度があるというのはわかっても、実際にどのような仕組みになっているのか、気になりますね。
暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火などの大きな自然災害に見舞われて、自治体に被災者生活再建支援法が適用になると、自治体へ国から補助が1/2出ます。
残り1/2は、都道府県があらかじめお金を持ち寄って作った基金から「支援金」を支給します。
残念なことに被災者生活再建支援法が適用にならないと、地方公共団体が対応を検討することになります。
支援法の適用基準
「住む家がなくなってしまった世帯の数」で、市町村の区域内の人口が5,000人未満の場合は、30世帯以上です。
この基準と同時に、10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村、100世帯以上の住宅全壊被害が発生した都道府県…と続きます。
「支援法」が適用されると、都道府県から「適用」の公示が出るので、確認する事ができます。
公示が出ると、
となります。
いくらもらえるの?
支援金は、2段階構造になっています。
まず、「基礎支援金」として全壊世帯に100万円、大規模半壊世帯に50万円が支給されます。
プラス、この額に「加算支援金」が支給されます。
住宅を建設・購入する場合は200万円、補修する場合は100万円、賃借する場合は50万円がそれぞれ加算される仕組みです。
この金額は、世帯の人数が2人以上の場合で、単身世帯は、前述の金額の3/4の金額です。
「1人世帯でも、家は同じ1戸なのに」という訴えもよく分かります。
この点は、今後の改善を待ちたいものです。(執筆者:大倉 愛子)