「跡取り」がおらず、先祖や自分自身の遺骨を供養してくれる人がいない場合には、遺骨を寺院に預けて永代供養にしますが、その遺骨を郵送で送ることを「送骨」と言います。
頼りにすべきお寺がない人や、高齢や体調が悪いなどの理由で墓地や霊園まで足を運べない人などが送骨を利用しているようです。

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「送骨」もっとも安い供養の方法
インターネットを見ていると、「2万円~」、「3万円で遺骨を納骨できます」などのキャッチコピーが目につきます。
この価格はさまざまな供養の中でも相当に安い部類です。
遺骨の供養にはさまざまな方法がありますが、
納骨堂は50万円~100万円
樹木葬も50万円~100万円
散骨が5万円~30万円くらい
であることを考えると、この2万円や3万円という金額がいかに群を抜いて安いかが分かります。
送骨 具体的な費用の内訳
送骨の費用は具体的にどのような内訳で構成されているのでしょうか。
埼玉県熊谷市にある「見性院」は、ホームページ上で次のように価格を掲載しています。

直接納骨
これは、寺院に届いた遺骨はすぐさま合祀(ごうし:他の人と同じ場所に埋葬されること)します。
最も安く供養を抑えようとするならば、この直接納骨がよいでしょう。
費用は3万円。この費用の中には、納骨に関わる費用や供養料、送料も含まれています。
個別納骨
遺骨を寺院に送ったあと10年間は個別に保管され、その後合祀されます。費用は10万円です。
こちらも供養料や送料が含まれています。
直接遺骨を持ち込んでの永代供養の方が高い?
遺骨を郵送で送る永代供養と、直接寺院に届ける永代供養とでは、実は後者の方が高い傾向にありました。
日本全国の寺院を介して遺骨の供養サービスを提供する「涙そうそう」のサイトを見ていますと、持込納骨よりも送骨納骨の方が安く設定されています。

おそらく、家族が持ち込みをすると、遺骨を預かる時に本堂で供養をしなければならず、時間が拘束されるためでしょう。
送骨だと家族の立ち合いがないために、お寺のタイミングで供養ができます。
送骨の実施には家族や親戚との相談を
送骨の実施には、あらかじめ家族や親戚と相談しておくことをおすすめします。
送骨をしなければならない事情があるのはしかたがないにせよ、遺骨を永代供養にするだけでなく、その遺骨を郵送で送ることに違和感を覚える人も多くいるからです。
送骨という弔いを選択することで、すべての人が納得して故人様を送り出せるのが望ましいでしょう。(執筆者:五十嵐 信博)