育児休業とは、子が1歳(一定の条件の場合は2歳)まで従業員の申し出により取得できる休業のことです。
また、父母の2人共に育児休業を取得する場合は、子が1歳2か月に達するまで取得できます(パパ・ママ育休プラス)。
育児のために休業することは、父母や子供にとっても大切なことです。
しかし、育児休業期間は無給であることが多く、生活に困ってしまうと悩んでいる人もいるでしょう。
そのような時のために、雇用保険に「育児休業給付金」という給付があります。
「育児休業給付金」の受給条件や注意点などを知って、上手に利用してください。

目次
1.「育児休業給付金」の受給対象者
「育児休業給付金」は従業員が育児休業中に申請することにより給付できる給付金ですが、すべての人が受給できるわけではありません。
「育児休業給付金」受給条件
以下(1) ~(5) が、「育児休業給付金」が受給できる条件です。
(1) 1歳未満の子供がいる
「育児休業給付金」の受給は場合によっては1歳6か月や2歳まで延長されることがありますが、申請は子供が1歳未満の間にしなければなりません。
(2) 雇用保険に加入している
雇用保険の加入条件は一定期間や一定時間働く従業員のため、自営業者や雇用保険の加入条件に満たない従業員の人は「育児休業給付金」の受給対象ではありません。
(3) 育休前の2年間の中で1か月に11日以上働いた月が12か月以上ある
パートや契約社員の雇用保険加入者の人は、上記条件に当てはまるかどうかを確認しておきましょう。
(4) 育児休業期間中の1か月ごとに休業開始前賃金のの8割以上が支払われていない
育児休業中に休業開始前の賃金の8割以上が支払われている場合は、支給対象外です。
(5) 育児休業期間中の1か月ごとに就労している日数が10日以下である
育児休業中に就労した場合には、就労している日数が10日(10日を超える場合は就労している時間が80時間)以下であることが必要です。

2.「育児休業給付金」の金額
子供が生まれてからの8週間は育児休業期間に含まれませんので、受給条件を満たした人の「育児休業給付金」の受給手続きは8週間経過後に行うことになります。
基本的に「育児休業給付金」の受給は2か月に1回のため、子供が生まれてから3か月程度は「育児休業給付金」は受け取れません。
また、「育児休業給付金」の1か月の受給額は以下の計算式です。
3.「育児休業給付金」の受給期間の延長
「育児休業給付金」の受給期間は子が1歳になるまでですが、場合によっては最大2歳になるまで延長できます。
「育児休業給付金」の受給期間の延長ができる条件は、子供を保育所などに預けることができないなどの理由により仕事復帰ができない場合などです。
子供の健やかな成長のためにも、育児休業をしっかりとって「育児休業給付金」を上手に活用したいものです。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)