不動産投資や事業投資と聞くと、億単位の多額の資金が必要になり、「富裕層や起業家しかできない」「初心者や副業には向いていない」というイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、今回ご紹介する「ゲストハウス事業投資」は、数千万円程度のイニシャルコストで、やり方によっては大きな収益を上げることが可能です。
自宅を購入する費用をこの事業投資に回して2拠点生活を送るのも、夢が広がって充実した生活につながるかもしれません。

目次
少額の不動産投資で今の時代に求められている収益物件に
FXや仮想通貨といった少額から投資できる金融商品よりも不動産投資は安定しているため、積極的な資産運用をお考えの方に近年注目を集めています。
できるだけリスクを低くしたいとお考えの方は「少額から始めたい」と思われると思いますが、数千万円の不動産投資は一般的な不動産投資よりも扱う金額が少ないことから利益の幅は低くなります。
しかし、
です。
リノベーションと旅館業、その2つを兼ね備えているのが「ゲストハウス事業投資」です。
ゲストハウスは、エアビーアンドビーや民泊サイト、OTA(オンライン・トラベル・エージェント)サイトにも多数掲載されており、訪日外国人の増加とともに物件数も右肩上がりに増えています。
1棟貸しのゲストハウスは、まさに、今の時代に求められている収益物件といえるでしょう。
1棟貸し「ゲストハウス投資」はどのようにしてできるのか

では、どうしたら高収益のゲストハウスができるのでしょうか。
家族同室での宿泊を好むアジア系インバウンドや長期滞在の欧米系訪日外国人などにニーズの高いのが1棟貸しのゲストハウスです。
そのゲストハウス運営事業で高収益を得るためには、最初が肝心です。
高収益ゲストハウス運営開始までのプロセス
初期段階からの綿密な計画が「利回り」を左右するからです。
どのように作り上げていくのか、運営開始までのプロセスを整理して説明します。
Step 1:投資計画策定
まず、この収益物件を生みだす投資の根幹となる考え方を整理します。
(1) 投資目的を整理しておく
株やFXへの投資は、購入・売却の一度の意思決定やタイミングが重要ですが、ゲストハウスを作り上げる場合には、約6~8か月の期間をかけて何度となくある意思決定を積み上げます。
・利用者のイメージは
・そのためにはどうするのか
ということを入念に考えることが必要で、それが、その後の利回りに大きく影響してきます。
そのため、この投資を行う目的を最初に整理していないと、ゲストハウスを作り上げる過程で判断基準がブレてしまい、当初想定した目的を達成できなくなる可能性があります。
例えば、
・自分のセカンドハウスとしての活用も期待するのか
・相続税や所得税対策として投資するのか
といったように、その目的によって展開する地域は、東京なの箱根なのか、はたまた金沢や北海道を狙うのかといった方針が決まってきます。
(2) 予算上限を決めておく
また、予算の上限をどの程度にするのかをあらかじめ決めておかないと、ついつい内装や家具選びにこだわり過ぎて、必要以上に予算をかけてしまうことがあります。
そうなれば初期投資額が増えてしまい、これもまた、その後の利回りに影響してきます。
ゆえに、
ことが重要です。
Step 2:物件調達
投資計画(事業計画)が完成したら、それを実現するエリアを決定し、物件を調達します。
旅館業許可を取得可能な物件を選ぶことが必須ですが、個人では難しいためプロに依頼することをおすすめします。
弊社では、全国主要都市においてREINS上の公開情報はもちろん、地場の提携不動産会社が保有する非公開物件や人脈で集めた物件情報などのデータベースがあります。
そのデータベースから旅館業許可を取得可能な物件を選び、
(2) 個別物件の周辺環境
(3) 競合物件の収益
の観点から物件を絞りこんでいきます。
京都では条例改正で、緊急時対応のために物件から800m以内に拠点を設け、スタッフを24時間常駐させることが義務化されました。
収益性に大きなインパクトを与えるため、多くの投資家に動揺を与えた事例です。
その他、宿泊客が食事できるレストランの充実度や、観光スポットへのアクセスなども重要です。
最後に、近隣の競合物件の稼働率や宿泊単価を調査することで、より具体的な収益シミュレーションを立てて、物件購入の意思決定を行います。
Step 3:コンセプト / デザイン策定

具体的に物件が決まれば、1棟貸しの「ゲストハウス」づくりで1番楽しく、夢の膨らむフェーズ「コンセプト / デザイン策定」です。
ターゲット:
・日本人の三世代ファミリー層も狙うのか
内装:
・女性的で明るい内装にしていくのか
などを、既存物件の特長が生きるように建築士やデザイナーと考えます。
そして、エアビーアンドビーやOTAサイトに掲載した際に競合物件より目立つよう、いかに魅力的な写真が撮れるかがポイントになるため、それを加味して設計 / デザインすることも重要です。
それと同時に、宿泊客が気持ちよく滞在できるように、
・使用する内装資材
・リビング・寝室からトイレへの動線
・絵画の設置
・コンセントやローブフックの位置
など、ひとつひとつこだわって設計してもらいます。
これらがすべて織り込まれることで競合物件と大きな差別化を図ることができるのです。
Step 4:施工&許可取得
デザイン / 設計が完成したところで、あとはそれを形にするだけです。
しかし、築古物件や古民家の場合、雨漏りやシロアリ等のトラブルが発生することも多く、また、期待と違う仕上がりになるリスクもあります。
いかにコストとスケジュールを順守しながら、品質を高めていけるかが重要です(建築用語では「設計監理」といいます)。
また、物件選定時に精査していたとはいえ、旅館業許可が取得できないと大問題なので、施工前から何度も役所や保健所に確認し、許可取得を進めます。
これも個人ではものすごく大変なのでプロに任せるとよいでしょう。
このStepでは、近隣住民の方々へのごあいさつ回りや運営方針のご説明も実施します。
≪工事前≫

≪工事中≫

≪工事後≫

Step 5:運営準備
施工が完了し、家具や家電の設置も完了すれば、完成/運営開始まであと一歩です。
ゲストハウスとしての施設は完成ですが、お客様の宿泊を迎えるために、
・予約サイトに掲載する写真撮影
・ハウスルール
などを準備します。
アメニティは、
・高級ホテルと同等のものを設置して高評価を狙うのか
などもひとつひとつ決めていきます。
また、予約サイトに掲載する写真は、お客様が宿選びをする際に目に触れるファーストステップなので非常時重要です。
いかに魅力が伝わるかも細かく吟味して撮影し、販売準備をします。
そして、近隣住民の方々とのトラブルが起きないように、滞在時のハウスルール作りもこのタイミングで行います。
高収益ゲストハウスの実現
民泊や手作りのゲストハウスとは違い、プロに任せて1棟貸しの「ゲストハウス」をつくることで高収益が実現します。
物件完成後は、オーナー自身で運営されてもよいのですが、運営代行業者に一括委託することも可能です。
その際は、いかに宿泊客への接遇を大事にしているかだけでなく、同時にオーナー視点での収益性改善に向けたプロモーションや価格設定などを二人三脚で取り組んでいける運営代行業者を選ぶことがポイントです。(執筆者:浅見 清夏)