生命保険に加入している方は、口座振替やクレジットカードで支払いをしている方が多いので、口座のお金が足りないという場合を除けば、通常引き落としができなくなることはありません。
しかし、転勤や転職などで引っ越しをした際などで、転勤先の地元の銀行口座や、転職先の指定する銀行口座に切り替えた時に、契約の住所変更の手続きはして、引き落とし口座の変更を忘れてしまうということがあり得ます。
すぐに気が付けばいいのですが、うっかり引き落としができない状態が続いた場合は、保険の契約はその後どうなるのか解説していきたいと思います。
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保険契約が失効する

保険料の引き落としができなかった場合には、契約している生命保険は失効という状態になり、万が一のときに保険金や給付金が受け取れません。
ただ、引き落としができなかったらといってすぐに失効してしまう訳ではなく、一定の猶予期間があります。
ほとんどの場合は払い込むべき月の翌月1日から末日まで、例えば契約日が毎年10月1日で、11月に払い込みができなければ、12月中が猶予期間となります。
保険契約の復活が可能
上記のスケジュールだけ見ると、意外と猶予期間も短いと思われるかもしれませんが、失効というのはその保険が完全に無効になったという訳ではありません。
一定期間の間であれば、未払いの保険料を支払うことで、元の保険の内容で保障をまた受けられるようになります。
これを保険契約の「復活」と言いますが、復活が可能な失効期間は保険会社によって異なり、概ね2~3年程度と言われています。
契約復活の手続き
復活の手続きにあたっては、保険会社から手続きに関する連絡がきたり書類が送られてくることが一般的です。
まれに、契約者みずから保険会社に連絡して書類の請求が必要な場合もあります。
復活の際には、以下のような手続きが必要になります。
・ 復活請求書への署名・捺印
・ 医師による診査または健康状態の告知を保険会社に提出
・ 滞っている保険料を一括で支払う
※保険会社によっては所定の利息が発生する場合もあります。

契約復活の注意点
上記したように復活する時には本来支払うべきだった未払いの保険料を一括で支払う必要が出てきます。
失効(未払い)期間が長ければ、それだけ一括で支払う保険料の負担も多くなるので、大きな金額を一気に負担するのは難しいということもあるでしょう。
その場合は、健康状態に問題がない前提で、掛け捨ての医療保険などであれば、思い切って新たな保険に切り替えを検討するのも1つの手です。
しかし、もちろん新たに入るものよりも、年齢が若いうちに入った保険の方が条件が良い可能性が高いので、本来は失効しないように気を付けて、どうしてもという場合の対応にするようにしましょう。
掛け捨ての医療保険は要注意
貯蓄型の生命保険に加入していて保険料の引き落としができなかった場合は、解約返戻金の中から自動的に保険料を立て替える自動振替貸付という仕組みがあるので、すぐに失効することは無いかもしれません。
ただ、掛け捨ての医療保険などにはそういった仕組みがなく、すぐに失効してしまう可能性があるので、掛け捨ての保険の引き落とし口座の設定には特に注意しましょう。
また、失効してしまったら復活ができるかどうかというのは保険会社次第です。
「保険料を払っていなかったから、保険金は受け取れない」とか、「もう保険は継続できないだろう」と決めつけずに、まずは一度保険会社に確認するようにしましょう。(執筆者:西田 凌)