大型台風が、15号、19号と続き、甚大な災害が起きました。
日本は、常に自然災害と隣り合わせです。
今回は、風水害による被害に備えられる「火災保険」についてお話しします。
目次
「火災保険」のタイプと補償
「火災保険」は、文字通り火災に備える保険ですが、火事だけではなく、風水害の被害も補償してくれるものが多くあります。
「火災保険」も、最近はさまざまなタイプのものが出ていますが、「住宅火災保険」や「住宅総合保険」に入っている人が多いのは、ここに風水害への対応も含まれているからです。
「住宅火災保険」の補償
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「住宅火災保険」には、火災の補償のほかに、
・ガス爆発などの破裂、爆発の補償
・風災
・ひょう災
・雪災の補償(一部自己負担額がある場合もあります)
がついています。
「住宅総合保険」の補償
「住宅総合保険」には、ここにさらに手厚い補償が付いていて、
・車に当て逃げされて塀の一部が壊れたなどの被害
・飛行機の墜落で受けた被害
・何者かの投石で住まいのガラスが破損した被害
・給排水設備の事故等による水漏れ被害
・家のそばでデモなどがあって機動隊ともみ合いになって家が壊れた暴行、破壊被害
・盗難の被害
など、幅広い被害に対して補償してくれます。
ですから、台風の強い風で家の屋根が飛ばされてしまったり、浸水したというような際には、まず、
してみましょう。
補償を選べるタイプも登場
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ひと昔前までは、前述のように「火災保険」と言えば「住宅火災保険」と「住宅総合保険」でしたが、最近はいろいろなタイプが出てきています。
セゾン自動車火災保険「じぶんでえらべる火災保険」の場合
例えば、セゾン自動車火災保険の「自分で選べる火災保険」は、基本補償として
「落雷」
「破裂・爆発」
の3つの補償が付いていますが、そのほかは必要な補償を自分で選べるようになっています。
補償を選べる火災保険が向いている場合
マンションに住んでいる人は、床上浸水、風で屋根が飛ばされる、雪が積もって屋根が壊れるなどの被害は想定しにくいでしょう。
従って、こうした補償は必要ないけれど、上の階からの水漏れの心配はあります。
このような場合に、基本補償に水漏れだけを付けておくという選択ができるのです。
補償が増えるほどにその分料金がアップするので、火災保険を節約したいという人にも向いているかもしれません。
これからも自然災害は予想されるだけに、補償内容はしっかりチェックしておくべきでしょう。
また、
ので覚えておきましょう。
災害や盗難にあった際には、雑損控除が使えます。
また、災害減免措置という控除もあります。
ただし、この2つは併用できないので、有利な方を選びましょう。
火災保険詐欺が横行
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災害が多発する昨今、これにつけ込んだ詐欺が横行しています。
そのひとつが、「無料修繕詐欺」です。
自然災害は「火災保険」で補償されるケースが多いので、災害が起きると「保険金を使って、無料で住宅の修繕をしませんか」という修繕業者の訪問が増えます。
こうした中には詐欺師がいて、最終的には法外なお金を払わされるケースが後を絶たないようです。
「無料修繕詐欺」の手口
被害を受けたお宅に、電話をかけてくる、訪問するなどして、
と話を持ちかけます。
家が被害を受けた人にとっては渡りに船です。
しかも、
と言うので、被害状況を見せて、見積もりを出してもらって契約してしまいます。
などと言われると、見積金額が高くても保険でてるから大丈夫と思って契約してしまいます。
さらに、保険会社と有利な契約をするためと称して「請求手続き代行契約」や「申請サポート契約」を結ばせます。
そうなると、かなりの費用を自己負担するということになります。
これでは話が違うと文句を言うと、「契約しているのだから、工事をやめるなら違約金を払え」と脅し、キャンセル料50%などという法外な金額を請求してくるケースもあるのです。
順当にいって保険がおりた場合でも、
と迫ります。
「無料修繕詐欺」を防ぐには
自然被害にあった際には、すぐに損害保険会社に電話をすることです。
このような仲介を頼まなくても無料でさまざまに対処してくれます。
損害保険の代理店に直接言えば手数料などは取られません。
調査の後、適正と判断されれば保険金は払われます。
国民生活センターによると、「保険金で修繕詐欺」のトラブル相談は、ここ10年で約22倍にも増えていて、70歳以上が全体の約半数を占めています。
高齢者の方は、特に気をつけましょう。(執筆者:荻原 博子)