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【老後資金不足】年金だけでも生活できる ポイントは「家賃・光熱費・国保料」

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【老後資金不足】年金だけでも生活できる ポイントは「家賃・光熱費・国保料」

年金はいつから、いくらもらえる?

年金は老後の頼りになる収入です。

年金については良く雑誌などに取りあげられていますが、実際はいつからいくらくらいもらえるのでしょうか?

平成29年度「国民年金・厚生年金事業の概況」によれば、厚生年金に入っていた人の65歳平均受給額は

・ 男性… 月額17万4,535円
・ 女性… 月額10万8,776円

これは単身者、家族持ち両方の平均額です。

老齢年金受給権者の状況男子

老齢年金受給者状況女子

≪画像元:厚生労働省HP 国民年金・厚生年金事業の概況(pdf)≫

また配偶者(会社員の妻で40年専業主婦)がある方の平均年収(夫が約513万円)から計算した年金受給額は月額22万1,504円(「平成31年度 年金額改定のお知らせ(pdf)」より)でした。

現在の50代前半(平成42年4月2日生まれ以降)だと、もらえる年金は65歳からで、

・ 男性… 月額約15万円(加給年金除いた額)
・ 女性… 月額約10万円

年金をもらえるものとして生活設計を立ててみたらどうなるのでしょう?

男性の寿命である約81歳まで65歳から月約15万円年金をもらい続けると、一生で受給総額が約2,880万円になります。

女性の寿命の約88歳まで65歳から月約10万年金を受けたとすると、一生で受給総額が約2,640万円になります。

年金のほかにも当てになる給付金

老後の生活資金として当てになるのは、年金ばかりではありません。

退職すれば雇用保険から65歳以降退職なら、一時金(64歳までの退職なら失業等手当)が出ます

60歳以降給与が下がっても働き続け、雇用保険に入っていると高年齢雇用継続給付金が減額後の給与の0.44%から15%支給されます。

例えば、厚生労働省HP「30年 賃金構造基本統計調査」によれば、

・ 55歳~59歳男性の平均給与は約42万円
・ 60歳~64歳の平均給与は約30万円

60歳以降の給与の減額率は約71%です。

この場合、60歳から65歳になるまで月額約1万1,000円(支給率は給与の3.68%で計算)の高年齢雇用継続給付金が支給されます(早見表参照)。

5年間だと66万円もの給付総額になります。

支給額早見表

≪画像元:厚生労働省HP「高年齢雇用継続給付支給率・支給額早見表(pdf)」≫

60歳時の給与と、その後の下がった給与の組合せで継続給付金額が決まります

【生活費】無職夫婦と単身世帯の平均

高齢夫婦はどのくらい生活費を使っているかも検討してみましょう。

平均的には、高齢者無職夫婦で月額23万5,615円、高齢者単身世帯で月額14万9,603円です。

高齢者無職夫婦と高齢者単身世帯

≪画像元:厚生労働省HP「家計調査報告(家計収支編)2018年(pdf)」≫

【住居・相続】千差万別

住むところや入手方法で住居費は異なります。

持ち家だと個々に値段や固定資産税が異なり、住宅ローンの有無もあります。

賃貸だと家賃が地域で異なります。

相続で持ち家を得た場合は、固定資産税は毎年ありますが、他の相続人に金銭を渡すこともあり得ます。

令和元年7月より、民法の相続の部分が改正になりました。

遺言より登記が優先されるケースもあり、自宅を全て相続させると遺言を受けた相続人(例えば、夫死亡後の妻など)は「他の相続人よりも先に全部を相続することを登記」した方が、スムーズに自宅を引き継げます。

親族間で遺産の分け方などもめそうに感じるときは気をつけましょう。

【貯金】負債の有無で大きく変わる

老後の暮らしには貯金も、住宅ローンなどの負債があるかどうかで貯金の額が異なります。

平成30年家計調査(家計収支編)によれば、高齢者無職夫婦や高齢者単身世帯の家計は平均値が赤字です。

貯蓄によって老後の生活はゆとり度が違ってきます。

貯蓄現在高五分位階級別貯蓄

≪画像元:総務省統計局HP「平成30年家計調査(pdf)」≫

*貯蓄高
第Ⅰ階級~251万
第Ⅱ階級251万円~672
第Ⅲ階級672万円~1,349万 
第Ⅳ階級1,349万円~2,729万円
第Ⅴ階級2,729万円以上

高齢になってから負債があるとその後の生活が大変そうです。

以下の表によって高齢者世帯では貯蓄現在高が2,500万円以上の世帯が約3分の1を占めることがわかります。

ただし、中央値(貯蓄「0」世帯を除いた世帯を貯蓄の低い順に並べたときに中央に位置する世帯の貯蓄)は1,515万円で、200万円以下の世帯も約12%あります。

高齢者世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布

≪画像元:総務省統計局HP「平成30年家計調査(pdf)」≫

貯蓄が少なかったり、年金が少ない、しかも賃貸を続けるつもりの人は、早めに借りられそうな住宅を検討した方がいいです。

どこに住む? 空き家バンクの活用

総務省の住宅・土地統計調査(平成30年10月時点)によると、国内の住宅総数に対する空き家率は13.6%、6,242万戸もあります。

「他のところに移住してもいいかも。」

と考える方は、空き家の多い地域なら格安で家を借りられる、または購入できる可能性があるのではないでしょうか。

平成29年10月より全国版空き家バンクが始動していますので、次の2社の情報を参考にされるといいでしょう。

Lifull Homes

アットホーム株式会社 

どこに住む? 家賃は地域によって異なる

33.5%の高齢者単身世帯は賃貸です。

夫婦住まいでも単身世帯でも賃貸だと同じ都道府県内でも市区町村によって家賃は結構異なるので、遠くへ引っ越すのが嫌なら同じ都道府県内で家賃を良く検討してみるといいでしょう。

住宅情報サイトによれば、東京都内の2LDKでも

・ あきる野市… 5万5,000円
・ 足立区… 9万4,000円
・ 渋谷区… 24万円以上
・ 港区… 29万円以上

地域によりこれだけの差があります。

1Kならあきる野市で家賃2万7,000円からになりますが、青森県むつ市では、ワンルーム1万8,000円からあり、7Kの家が1万5,000円というのもありました。

函館市の1Kは1万5,000円、山口県熊毛郡は2LDKで4万3,000円と、住宅情報サイトを見ていると、地域によって家賃の差が大きくあることがわかります。

都心なら、築年数の古い家やシェアハウスという選択肢

住宅情報サイトをみていると結構都心でも単身者向けの賃貸は渋谷で家賃4万1,000円(築47年等)、足立区や荒川区、葛飾区など下町のシェアハウスなど家賃2万円台で借りられるところも出ています。

これなら、年金月額10万円で女性の1人暮らしもなんとか生活できそうです。

家賃参照:スーモ

保険料と光熱費は地域で大きく異なる

地域で異なると言えば、住民税ですが、市区町村で言えば、1番安い税率なのは名古屋市です。

ただし他の地域でも、夫婦で年金合計月額25万円くらいなら住民税非課税になるところが多いです。

他の出費について確認してみましょう。

1. 国民健康保険料・介護保険料

国民健康保険料(介護保険料込み)も地域格差がある出費です。

年間の国保料は7万円から10万円少し超える額の市区町村が多いのですが、特に高い国保料(年15万円以上)安い国保料(年5万円から6万円ほど)のところもあるので、都道府県ごとにいくつかの市区町村を挙げてみます

参考:厚生労働省 平成30年 各都道府県国民健康保険料の取りまとめ(pdf)

例えば、厚生労働省による平成30年国民健康保険料の算出結果によれば、年額国保料は

北海道小樽市… 5万7,645円

北海道士別市… 16万7,552円

秋田県大潟村… 19万3,861円

群馬県上野村… 6万1,608円

埼玉県南秩父村… 6万3,074円

埼玉県長瀞町… 6万8,693円

東京都23区は全般的に年間10万円以上国保料がかかる区が多く、特に千代田区は年間15万5,459円です。

都下部は年間8万から10万円以内のところが多く、安いのは檜原村で年間6万1,295、御蔵島村で年間6万1,594円です。

千葉県芝山町… 12万5,182円

群馬県上野村… 6万1,608円

群馬県南牧村… 6万2,809円

山梨県丹波山村… 5万7,707円

長野県は全般的に国保料が安く、年間7万から9万円のところが多いのですが、売木村の5万4,318円、根羽村の5万57円、大鹿村の3万9,344円は特に安いです。

愛知県豊根村… 5万6,234円

京都府伊根町… 6万3,862円

奈良県御武村… 6万2,841円

和歌山県北山村… 5万9,881円

島根県美郷村… 6万8,647円

徳島県那賀町… 6万6,599円

愛媛県松野町… 6万6,798円

高知県は全般的に国保料が安く、年間6万から9万くらいの市町村が多く、特に大川村では年間5万1,472です。

福岡県福智町… 6万1,163円

佐賀県は全般的に国保料が高く年間10万円以上の市町村が多いです。

熊本県水俣市… 5万4,027円

鹿児島県は全般的に国保料が安く、年間7万円から年9万円くらいの市町村が多く、特に鹿児島県伊仙町は年間4万4,436円です。

移住に人気の沖縄県も国保料が全般的に安く、年間6万円から8万円くらいの市町村が多く、年間5万円台の国保料もいくつかあり、沖縄県伊平屋村は4万1,627円、粟国村は4万4,893円です。

2. 水道代

電気代もガス代も自由化が進み、料金が変わってきていますが、地域によって最も異なるのは水道代ではないでしょうか?

水道代は1か月20立方メートルで月額7,000円以上市区町村もあれば、月額1,000円ほどのところがあります。

全体的に凍り付きやすい寒い地域の方が水道料金は高くなりがちです。

比較的暖かい神奈川、静岡などに安い水道代金の市区町村が多いです。

ただ、同じ都道府県内でも市区町村で水道代は異なり、1か月20立方メートルで

東京都昭島市… 1,803円
東京都大島町… 3,947円

なんと約2倍違います。

神奈川中井町と松田町… 1,458円
神奈川県真鶴町… 5,199円

愛知県犬山市… 1,452円
愛知県の海部南部水道企業団が管轄の市町村… 5,076円

寒い北海道は全般的に水道代が高いのですが、

北海道函館市… 2,358円
北海道夕張市… 6,852円

首都圏の埼玉県は市町村でバラツキが最もあり、

埼玉県嵐山町… 1,863円
埼玉県寄居町… 7,695円は、日本一水道代が高いです。

全国レベルで水道代が安い

兵庫県赤穂市… 961円

和歌山県白浜町… 1,070円

富士河口湖町… 1,057円

家賃が安くても、毎月の水道代が高いと生活にも影響がでるので、光熱費もしっかりと調べてから移り住むことをおすすめします。

価格参考:ダイヤモンド社調べによるダイヤモンドオンライン2019年1月15日の記事


高齢者が快適に過ごせる地域

移住に人気のある沖縄県をはじめ、北海道、東京都(地方)などでは高齢者が移住して安く暮らせそうなところはどこでしょう?

筆者の個人的意見としては、移住は、親しい人や知り合い、地域の事情が分かりやすいところの方が過ごしやすいような気がします。

沖縄県金武町

水道代… 1,600円/月
家賃… 1Kで4万円/月
国保料… 6万2,406円/年

国保料と水道料は安いのですが、家賃は高めです。

東京や神奈川と比べると安いのですが、思っていたより高いと思ったのは筆者だけでしょうか?

それでも国保料と水道料が安いのは老後の移住の大きなメリットになるでしょう。

北海道函館市

水道代… 2,358円/月
家賃… 2LDKで4万円/月
国保料… 8万5,661円/年

北海道は家賃が安く、広大な土地、おいしい食べ物と魅力的なのですが、国民健康保険料や水道料が全般的に高め(市町村により異なる)でした。

極寒が苦手な人は函館市など他の地域と比較して雪も少ないし、海の幸がたくさんあります。

水道料も北海道としてはかなり安く、国保も年8万5,661円と高くはありません。

東京都府中市

水道代… 2,710円/月
家賃… ワンルームで3万円/月
国保料… 7万4,220円円/年

東京都なら府中市あたりは、家賃も23区内ほど高くなく、都内にも自然の多い場所にも行かれて便利そうです。

海外移住は経験と貯金が必要になります

日本語の通じる国内を中心に移住(引っ越し)を考えてみましたが、海外移住などにはアリでしょうか?

個人差もありますが、年を取ると環境の変化がきつく感じたりすることも多いでしょう。

日本国内なら、「病院に健康保険が使えて」、「水道の水はそのまま飲めて」、「治安もやはり安心」です。

例えば、病院で予想以上にお金を使っても、日本国内なら「高額療養費制度」があって、一定範囲の医療費負担で済みますが、国によっては私的保険に入っていないと数千万円を自分で負担することもあります。

海外移住するなら「親せきや親しい人がいる」、「昔住んでいて国内事情を知っている。」など地縁のある国がいいのでしょう。

医療事情、治安のいい地域、食事のことなどが把握できるからです。

もし「ネット情報のみ」、または「旅行で1~2回行ったことがある」くらいの国に移住を考えるなら貯金は多額にあった方が安心です。

現状維持は難しくても、方法はあります。

年金だけで生活をするのは難しいと言われている時代ですが、工夫をすれば可能です。

・ 賃貸
・ 家賃
・ 水道料
・ 国民健康保険料

などを吟味して、もらえる年金で住める場所を探すのも楽しいかもしれません。(執筆者:社会保険労務士 拝野 洋子)

《拝野 洋子》
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拝野 洋子

年金相談員、保険・家計アドバイザー ファイナンシャル・プランナー(上級資格のうちライフ、保険、タックス、相続、金融を科目合格) 大手地方銀行にて外国為替、内国為替に携わる。税理士事務所等にて、社会保険、助成金申請代行、損保代理店業務、行政書士補助、記帳代行などの業務に携わる。400件以上の電話年金相談に対応。東京都中央区で算定相談員、川崎市で街頭相談員、社団法人の労働施策アドバイザーを経験。趣味はクラリネット演奏 音楽鑑賞 読書。平成25年4月よりオールアバウトガイド 平成29年4月より年金相談員 <保有資格> 社会保険労務士、FP技能士2級、AFP、日商簿記2級 寄稿者にメッセージを送る

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