前年に納め過ぎた税金があれば、確定申告により「還付金」として取り戻すことができます。
実はこの還付金の受け取り方は手続きの方法や申告時期によって変わってきます。
今回は、確定申告で出る還付金の受け取り方と、申告時期を過ぎてしまった時の対処法について解説します。
目次
還付金の受取時期は申告方法によって変わる
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確定申告の時期と言えば2月16日から3月15日と定められていますが、実は
年始の休日をのぞくとおおむね毎年1月4日から申告可能です。
「とにかく早めに申請を済ませたい」、「最速で還付金を受け取りたい」というのであれば、確定申告の時期を待たずに1月のうちに申請してしまうのがよいでしょう。
申請の方法は、
・ 税務署へ郵送
・ e-Taxで電子申告
の3つのパターンがあります。
前者の2つの場合、還付金の振込みは申告してから1~2か月後です。
書類の確認後に不備がなければ還付金額と振込日が記載されたはがきが郵送されてきますので、それによって申告の完了を確認できます。
一方、e-Taxで申請した場合には、申告から約3週間で還付金を受け取ることができるほか、処理状況についてもweb上で確認できて安心です。
少しでも早く受け取りたい場合には、e-Taxで申告をする方法をおすすめします。
受け取り方は「登録口座」か「現金」
還付金の受け取り方は
・ 現金
の2パターンあります。
口座で受け取りたい場合には、申告書第1表右下にある「還付される税金の受取場所」の欄に口座番号等の必要情報を記入します。
このときに、指定口座が「申告者本人の名義であること」と「還付金の受け取りに対応している銀行であること」の2点に注意が必要です。
例えば名義については、旧姓のままの口座であると受け取れないことがあります。
確定申告にかかる時期に結婚や離婚をした場合には、申告に間に合うように口座の姓名を申告上の姓名に合わせる必要があります。
万が一間に合わなかった場合には、申告後であっても管轄税務署に電話等をして、名字が変わった旨を伝えれば対応してもらえます。
また、還付金の受取に対応しているかどうかは、特にインターネット専用銀行を使っている場合には注意が必要です。
イ 銀行等の口座への振込みを希望する場合
原則として、銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合及び漁業協同組合の預金口座に振込みが可能です。ただし、一部のインターネット専用銀行については、還付金の振込みができませんので、振込みの可否について、あらかじめご利用のインターネット専用銀行にご確認ください。
といった記述がありますので、指定できるかどうかは自身で確認をとることになります。
口座振り込みではなく現金で受け取る場合には、「還付される税金の受取場所」欄に希望の郵便局名を記入して申告します。
その後送付される「国庫金送金通知書」と「本人確認書類」を持参のうえ指定した郵便局で還付金を受け取ります。
確定申告の期日が過ぎてしまった!
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所得の確定や納税を目的とした確定申告は2月16日から3月15日までと定められており、期日を過ぎてしまうと加算税などのペナルティがあります。
しかし、年末調整や源泉徴収で一度所得の確定が済んでいるサラリーマン等であれば、還付金を受けるための還付申告は確定申告の期日と関係なく申請できます。
還付申告であれば対象年の翌年1月1日から5年間にわたっていつでも申請可能です。
つまり、確定申告に間に合わなかった時や、後から気づいたケースなどで過去の還付を申請したい場合にも、過去5年分まではさかのぼって申請することが可能です。
申告には通常の確定申告と同様に各種証明書などの提出が必要なので、対象の書類がそろっているかよく確認する必要があります。
過払いで損をしないためにも申告する
普段意識する機会が少ない所得税ですが、申告をしていないと気づかないうちに税金を払い過ぎてしまっていることもあります。
特に出産や退職、転職といったライフステージの変化があるとバタバタしていてつい忘れてしまいますが、きちんと申告して還付金を受け取らないと損をしてしまいます。
過去のものでも思い当たるものがあればぜひ見直してみてください。(執筆者:島村 妃奈)