ガンやうつ病など再発することがある病気は、休職して病気を治療し職場復帰したものの、病気が再発してまた休職するという場合もあるでしょう。
そんなとき「傷病手当金」は以前と同じように支給されるのでしょうか?
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「傷病手当金」にはリセット期間がある
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たとえばうつ病で休職後に職場復帰した人が、3年後に再びうつ病になって休職することになったとしても、それは
1回目のうつ病が続いていたのではなく、新たな別のうつ病である、という解釈になります。
これは傷病手当金のリセット期間を規定する上での「社会的治癒」という考え方で、実際の病気の治癒判断とは異なっています。
このリセット期間は、会社ではなく健康保険組合の判断の範疇ですので、まずは所属する健康保険組合に問い合わせるとよいでしょう。
リセット期間を経過していない場合
休職後に仕事に復帰したものの、1回目の病気と同じ病気がすぐに再発してしまった場合はどうなるのでしょうか。
傷病手当金の支給期間は「支給開始日から1年6か月まで」です。
たとえばガンの治療で6か月休職し、復帰後3か月勤務してガンが再発しふたたび休職する場合は、1回目の「支給開始日から1年6か月まで」の残りの期間は9か月になり、その期間は傷病手当金を受け取ることが可能です。
別の病気で療養が必要になった場合
仕事に復帰した後まったく別のケガ・病気になってしまった場合には、リセット期間には当てはまりません。
という原則があります。
仮に病気で1年6か月休職して傷病手当金をもらいきった上で、復帰後すぐ事故に遭い6か月の入院が必要になった場合でも、1回目の傷病手当金とは別枠で事故による休職に対して「支給開始日から1年6か月まで」傷病手当金が受け取れます。
リセット期間を過ぎていても不支給になるケース
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復帰後1年以上問題なく勤務する「社会的治癒」のリセット期間を過ぎていても、2回目の休職に対して傷病手当金が不支給と判断されるケースがあります。
いずれも健康保険組合の判断によりますので、以下のケースに該当する場合でもまずは所属する健康保険組合に問い合わせてみましょう。
復帰後も治療が継続していた
前回の休職期間中に治療したうつ病が、復帰後も治りきらず何度も仕事を休んでいたなど明らかに「完治していない」とみなされる際には、2回目の傷病手当金が不支給と判断される場合があります。
ただし「経過観察」としての通院は治療継続とみなされません。
前回の病気と関連している病気である
前回の休職期間中に治療した胃がんが転移して、新たに別の部位のがんが発生した場合などは、以前の病気と「引き続き、関連した病気」とみなされることがあります。(執筆者:2級FP技能士 久慈 桃子)