今回は、株式投資における板気配値の正しい活用法について解説していきたいと思います。
目次
板とは

板とは、現在表示されている株価近辺にどれだけ注文が発注されているのかを確認するためのものです。
板を見ることで、自分が売買しようとしている株がいくらで約定させることができるのかを知ることができます。
板が薄い銘柄には注意が必要
株式を売買する際に注意しなければいけないのが日中の出来高です。
出来高が薄すぎると、呼び値ごとの発注株数が非常に少なくなってしまう可能性があります。
その場合、大量の売買注文を一気に流してしまうと、自分の注文で株価が大きく上下してしまい、予想外の株価で約定がついてしまう可能性があるので、板の状態を必ず確認しておく必要があります。
板を確認してトレンドを見極める
板を用いる上で重要となってくるのが、板の気配で見えている部分ではなく、見えていない範囲で注文がどれだけ待機しているかを把握することです。
これを見極めることでトレンドを予測できます。
確認すべきところは、板のUNDERとOVERと表記されているところにどれだけの注文(株数)が待機しているかです。
・ UNDERよりもOVERの方が待機株数が多い: 下落トレンドを形成する可能性が高い
ということなので、売買をする際には必ず押さえておく必要があります。
UNDERとOVERの変化に注目

株価が何かしらの材料により激しく上下している場合、テクニカル分析を当てにできません。
そこで重要となってくるのが、攻守の切り替わるタイミングを待機株数から読み解くことです。
UNDERとOVERの攻守が切り替わるタイミングで株価が大きく反転する可能性が高くなるので、デイトレードを中心にしている方は押さえておく必要があります。
IPOの売買でも役立つ
IPO(新規公開株)などのデータがまだそろっていない銘柄の売買をする際にもこれは有効な手段です。
通常、IPOは寄り付きで売却するのがセオリーと言われていますが、売却してからさらに値上がりするケースは多々あります。
その場合は、寄付き前の板より待機株数を確認し、どういった状況にあるのかを確認してから売却すべきか様子を見るべきか判断するようにしましょう。
状況次第ではセカンダリーで買うのも有効です。
板気配で戦況を把握しよう
板気配はいくらで株式を売買できるのかを知るための手段として用いられがちですが、より重要なのは攻守どちらが優勢なのか戦況を把握することです。
このトレンドの切り替わりを感覚的に把握できれば、どのタイミングで売買すればいいのかをより正確に判断できますので、日ごろから意識するよう心がけましょう。(執筆者:白鳥 翔一)