「もちろんタコ足配当ではなく、純粋な利子からだけ分配しているものが欲しい」
タコ足配当とは、原資となる利益がないのに投資元本を切り崩し、見かけ上は配当を出していることを称して言います。
安定してコツコツと利子を出してくれる「債券」は株高の状況であっても非常に魅力的です。
毎月分配金が少しでも出るとうれしいですよね。
筆者が保有している海外ETFの「BND」はこうした商品なので紹介したいと思います。
インカム収入を増やしたいと思っている方の参考になれば幸いです。
目次
海外ETF「BND」の特徴
「BND」は、バンガード社が運用しているETF(上場投資信託)です。
純資産額は460億ドル(4兆円以上)と日本では信じられない規模を誇ります。
海外ETFらしく経費率は年間0.035%と超低コストです。
ベンチマークはバークレイズ米国総合浮動調整インデックスで、米国の投資適格債券市場へ一括投資できます。
債券から安定したインカム収入が欲しい、という人におすすめしたい商品の1つです。
「BND」の魅力は抜群の安定性
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画像のとおり中短期の米国債を中心に分散投資しています。
銘柄数は8,000にものぼります。
たった1つで分散投資できるのはペーパーアセットのよいところです。
デュレーション・利回り
また、長期債に比べると金利変動のリスクは小さくなるのが魅力の1つです。
平均デュレーションは6.2年と短めです。
デュレーションが短いと金利変動の際、値動きが小さくなります。
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Baaクラスの投資適格社債も含んでいるので、米国債だけに比べ利回りが良くなるのも特徴です。
と、同日の米国債10年1.82%に比べると高利回りですね。
NYダウとの比較
どのくらい安定しているかをNYダウとの比較チャートで見てみましょう。

「BND」の設定日は2007年4月7日ですので、リーマンショックを乗り越えた銘柄です。
画像を見てすぐに分かりますが、株式のNYダウと比べると、値動きがないのかというくらい安定していますね。
配当
値動きはマイルドですがしっかり配当が出るというのが「BND」の魅力です。
2019年の配当一覧を見てみましょう。
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FRBの金利引き下げに伴い、2019年9月ごろから少し利回りが落ちています。
金利が下がると債券価格は上がる特性がありますので、「BND」自体が値上がりしました。
うまくバランスが取れています。
参考までに、筆者が受け取った2019年11月度の配当はこちらです。
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まだ保有数が少ないため大きな金額にはなっていませんが、毎月安定した入金があるのはうれしいところです。
配当込みチャートで見ると感じが変わる
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安定した利回りと値動きの小ささが魅力の「BND」ですが、実際に長期で保有するとイメージは一変します。
画像は、配当を再投資した際のトータルリターンです。
かなり理想的な右肩上がりをしているのが分かります。
NYダウといった代表的な株式指数が大きく動いていたのと見比べると、安定して配当を受け取りたいと思う人には最適な商品ではないでしょうか。
海外ETF「BND」の弱み
もちろん、「BND」には弱い部分もあります。
弱みは下記の2点です。
1. 長期では株式ほどのリターンが見込めない
歴史的に20年以上の長期投資をした場合、全世界で「債券」よりも「株式投資」の方が高いリターンを出しています。
全ての資産を「債券」で運用するよりも、
ですね。
2. 日本から投資をする場合は為替の影響をうける
海外ETFということで為替の動きの影響を大きく受けます。
ここ20年のドル円相場は70円台から120円台へと大きく動きました。
のは覚えておきたいですね。
米国には債券ETFなどが豊富
まずは、ここまでのおさらいです。
・ 米国債を中心に安定した利回りが魅力。
・ 配当込みリターンで見ると右肩上がりの成長をしている。
・ ドル建てでは成長しているが為替の値動きをダイレクトに受ける。
日本では債券投資が目立ちませんが、米国株に投資をすると「BND」のような債券ETFなども豊富にあります。
「積極的にリスクは取れないけどインカムを増やしたい」という方の参考になれば幸いです。(執筆者:松崎 正義)