パートで働く人にとって、厚生年金保険や健康保険などの社会保険の加入対象になるかどうかは重要な問題です。
主婦の方が多いと思いますが、社会保険に加入するということは配偶者の扶養から外れることを意味するからです。
バートで働く人であっても、すべての人が社会保険の加入対象になるわけではありません。
年収や労働時間などによって、加入対象かそうではないかが決まってきます。
今回は、パートで働く人が社会保険に加入して厚生年金保険の被保険者になった場合のメリットやデメリットについて解説していきます。
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目次
パートで働く人の社会保険の加入条件
社会保険完備の会社でパートで働く場合の社会保険の加入条件は以下です。
・ 所定労働時間が週20時間を超えていること
・ 月給が8万8,000円(年収106万円)以上であること
・ 1年以上継続して適用事務所に勤務する見込みがあること
・ 学生でないこと
・ 従業員規模が501人以上の事業所に勤務していること(従業員500人以下の事業所は労使の合意があること)
パートで働く人が厚生年金の被保険者になった場合のメリット・デメリット
今まで国民年金のみの被保険者だった人が、厚生年金の被保険者になった場合のメリットは3つあります。
メリット1:将来受給できる年金額が増える
20歳から60歳までの40年間に全期間に国民年金の保険料を納めた人は、65歳から満額の老齢基礎年金が支給されます。
平成31年4月分からの満額の老齢基礎年金の支給額は78万100円です。
老齢基礎年金を満額受給できたとしても、月額約6万5,000円です。
この金額では、老後の生活はなかなか厳しいと考えられます。
もちろん厚生年金の加入期間が長ければ長いほど、将来受給できる年金額は増えていきます。
メリット2:厚生年金保険料は会社と折半
厚生年金保険料と健康保険料などの社会保険料は、会社と折半して支払います。
今まで国民年金の第3号被保険者だった人は、厚生年金保険料を支払うことで負担が増えます。
しかし、第1号被保険者として全額自分で保険料を負担していた人にとっては、会社が半分負担してくれるのでお得です。
メリット3:障害厚生年金が受給できる可能性がある
厚生年金の被保険者が障害の状態になってしまった場合に、障害基礎年金だけではなく障害厚生年金も受給できます。
その分年金額が増えます。
デメリット:給与の手取り額が減る
一方、以下はデメリットです。
社会保険料を支払うことにより、当たり前ですが手取りが減ります。
このように、パートが社会保険に加入することでいろいろなメリットデメリットがありますので、良く考慮して働く時間を調節しましょう。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)