「国民年金」は、日本を支える大切な仕組みの1つです。
受給者のお金は現役世代が納付する保険料で賄われ、現役世代が歳をとって受給世代になった際には次の現役世代によって賄われます。
いわば「世代間のリレー」ですが、自営業者の方などはできればお得に納付したいものですよね。
まとめて納付する「前納制度」を使えば毎月納付より保険料がお得で、クレカで納付すればポイントも貯まります。
今回は、令和2年度の国民年金保険料の詳細とともに、クレカ納付の際の注意点も合わせて解説しましょう。

目次
令和2年度の国民年金保険料納付額
まず、最新の国民年金保険料について紹介しましょう。
令和2年度の国民年金保険料の納付額は月額1万6,540円、令和3年度は月額1万6,610円です。
納付方法と納付サイクルによって納付額は異なる
実は、この国民年金保険料の納付額は、納付方法と納付サイクルによって異なります。
納付方法は、
・クレカ
・口座振替
の3種類です。
納付サイクルは、
・6か月前納
・1年前納
・2年前納
の4種類あります。
納付方法・納付サイクルごとの保険料
納付方法・納付サイクルごとの保険料は、以下の表の通りです。

2年前納が最もお得で、毎月納付と比較して、
・ 現金、クレカ:1万4,590円お得
です。
2年前納の口座振替とクレカの保険料の差
2年前納を選択した場合の
です。
この差をクレカのポイント還元で補うためには、0.4%以上の還元率が必要です。
ほとんどのクレカは、還元率0.5%以上ですので問題ないでしょう。
国民年金保険料をクレカで前納するには「申出書」が必要

国民年金保険料をクレカで前納するには、「国民年金保険料クレジットカード納付申出書」の提出が必要です。
この申出書は最寄りの年金事務所の窓口にも置いてありますし、PCからダウンロード・印刷して使うこともできます。
必要事項を記入のうえで、年金事務所窓口に提出または郵送しましょう。
提出から手続き完了まで1か月程度です。
ちなみに、申出書にはクレジットカード番号・有効期限の記入欄があるので、カードが手元にない状態では基本的に手続きできません。
国民年金保険料をクレカで前納する際の注意点
メリットも多い国民年金保険料のクレカ納付ですが、「納付できない」、「期待していたポイント還元を得られない」という可能性もあります。
以下の注意点をよく読み、そのようなことがないように気をつけてください。
通常の納付以外はクレカで納付できない
国民年金保険料の納付は、通常の納付以外にも、
・ 過去の未払い分の保険料の納付
・ 一部免除(一部納付)されている期間の保険料の納付(後納)
がありますが、これらについてはクレジットカードによる納付は利用できません。
ポイント還元対象外、ポイント半減のクレカがある
国民年金保険料を納付できるクレジットカード会社は、以下の通りです。
・ アメックス
・ セゾン
・ 東急
・ UCS
・ Mastercard
・ イオン
・ JCBトヨタファイナンス
・ ライフ
・ NC日商連
・ セディナ
・ 日専連
・ 楽天
・ OC
・ ダイナース
・ 三井住友
・ UC
・ オリコ
・ ジャックス
・ 三菱UFJニコス
・ VISA
ほぼ全てのクレジットカード会社で利用できますね。

ただし、全てのクレカが満額還元されるわけではありません。
例えば、三井住友カードで国民年金保険料を納付しても、ポイントは還元されません。
また、ダイナース、アメックスはポイント還元率が半分の0.5%です。
プリペイドカードでは納付できない
VISA、JCBのデビットカードは、国民年金保険料の納付に利用可能です。
デビットカードは、お金さえあれば自分で限度額をコントロールできるので、後述するような限度額不足の心配もないでしょう。

ただし、プリペイドカードは利用できません。
高還元のLINE Payカード、Kyashが利用できないのは痛いですね。
前納の申込締切は2月末
前納の申込締切は2月末なのですが、2月29日が土曜日にあたり、年金事務所がお休みのため締切が早まっています。
令和2年度分(2年前納・1年前納・6か月前納の4~9月分)の申込は2月28日が締切です。
注意しましょう。
カードの新規入会を検討している方は特に注意
特に、これを機に新規入会を検討している方は、遅くとも2月27日までにカードが手元に届くように手続きしてください。

例えば、最大7万1,000マイルもらえるキャンペーン実施中の「ANAダイナースカード」は候補の1枚ですが、申込からカードが手元に届くまでに2~3週間程度かかるようです。
ステータスの高いカードほど審査が慎重ですので、
・ キャッシング枠は0円にする
ことで、審査がスピーディーになるかもしれません。
クレカの利用限度額が足りるか確認する
国民年金保険料は、2年前納の場合には40万円近い出費になります。
結構な金額ですので、クレカの利用限度額が足りるかどうか確認しましょう。
限度額不足で引き落とせなかった場合には、毎月納付になってしまいお得度が減ってしまいます。
特に、入会間もないクレカは限度額を低く抑えられていますので、足りない場合は1年前納・6か月前納に変更してください。
ちなみに、国民年金保険料の納付は一括払いのみで、分割払い・リボ払いには未対応です。
そもそも、リボ払い専用カードは「一括で」と言っても自動的にリボ払いになるので、この限りではありません。
国民年金保険料のクレカ納付は注意点を押さえておく
国民年金保険料をクレカで納付すると、
・ 納付書で払う手間がない
・ 払い忘れもない
・ 手持ちのお金が不要
・ クレカのポイントが貯まる
・ 前納なら保険料がお得
など多くのメリットがありますが、注意点が多いのも事実です。
前述の注意点をしっかり押さえておきましょう。(執筆者:角野 達仁)