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還元率25%のマイナポイント政策
政府がマイナンバーカード普及のために進めている「マイナポイント政策」について、先日紐づけされるキャッシュレス決済21サービスが発表されました。
「マイナポイント」とは、マイナンバーカード保持者が、別途発行される「マイキーID」と紐づけたキャッシュレス決済を行う場合に、事前チャージもしくは支払い時に25%相当のポイントを還元するという制度です。
その驚異的な還元率で話題になっていますが、ポイント還元に至るまでには、利用者がやらなければならない工程がたくさんあります。
マイナポイントの詳細と、ポイント還元までのハードルについて説明します。
ポイント還元の対象となる、21のキャッシュレス決済
マイナポイントのポイント還元対象となるキャッシュレス決済として、以下の21のサービスが登録されました。
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QRコード決済ではPayPayやLINEPay、メルペイ、楽天ペイと有名どころが名を連ねています。
nanacoやWAON、suica(JREポイント)もありますので、「キャッシュレス決済はまだICカードのみ」という方でもポイント還元を受けることができます。
クレジットカードは今のところ登録されていません。
しかし仮にこちらに名前がなくても、キャッシュレス決済へのチャージ時にクレカを使用することは多いため、間接的にはマイナポイントに関わってくると考えて差し支えないでしょう。
対象キャッシュレス決済の登録受付はまだ続いていますので、さらに増える可能性があります。
「期間全体」で25%還元の最大5,000円相当を付与
高い還元率を誇るマイナポイントですが、無制限に25%の還元率でいつもポイントがもらえるわけではありません。
2020年9月~2021年3月末までの期間中全体で5,000円が上限として設定されています。
25%の還元率ですから、期間中合計2万円までのチャージもしくは支払いがポイント還元の対象になります。
紐づけできるキャッシュレス決済は1サービスのみ
マイナポイントと紐づけできるキャッシュレス決済は1サービスのみです。
例えばPayPayを紐づけると決めて手続きや設定を済ませたら、期間中にPayPayを使った際に、25%の還元率でPayPayボーナスが付与されます。(期間中上限5,000円まで還元)
付与のタイミングや「そのキャッシュレス決済の通常のポイント還元との併用が可能かどうか」については、キャッシュレス決済ごとに取り決めがなされる予定です。
マイナポイント制度のスケジュール
マイナポイント制度のスケジュールは以下のように予定されています。
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最大の注意点は、マイナンバーカードの交付に1か月程度の時間を要することです。
この時間を計算に入れておかないと、期間中にポイント還元を受けたくても「もう間に合わない」という事態になりかねません。
マイナンバーではなく、マイキーIDという別のIDが必要
マイナンバーカードを無事手にしても、まだマイナポイントの手続きには入れません。
マイナンバーカード保持者がオンライン上で別途手続きを行うことで、「マイキーID」という別のIDが発行されます。
このマイキーIDとキャッシュレス決済を紐づけることで、マイナポイントの申し込みが完了します。
マイキーID発行のために、プラスチック製のICカードであるマイナンバーカードを読み込んでデータにする必要があるのですが、ここに高いハードルが存在します。
マイナンバーカードを読み込むには、2つの方法があります。
ICカードリーダーライターを使う方法
まず、マイナンバーカードの読み込みには専用のソフトをPCへダウンロードします。
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ソフトがダウンロードできたら、ICカードリーダーライターをPCに接続してマイナンバーカードを差し込み、カード情報を読み込みます。
ICカードリーダーライターを持っていない場合、新規に購入すると3,000円ほどかかってしまうのがネックです。
公的認証サービス対応のスマホを使う方法
公的認証サービス対応のスマホから専用アプリをダウンロードし、マイナンバーカードを読み込みます。
公的個人認証サービス対応のスマホは、第1報をお伝えした2019年9月より増えています。
一部iPhoneが対応になったのは朗報です。
ですが、まだ全ての機種に対応しているわけではありません。(参考元:公的個人認証サービス(pdf))
家族全員分のマイナポイント申請ができるかは未定
対象となる具体的なキャッシュレス決済が発表され、マイナポイントの詳細が少しずつ見えてきました。
PayPayやnanacoなど有名どころの参加で、当初予想していた「マイナポイントの使い道がほとんどないのではないか」という懸念はひとまず払拭できたと言えそうです。
15歳未満の子どもでも、保護者が申請すればマイナンバーカードの発行は可能です。
しかしマイナポイントの申込ができるかどうかは、現時点では決まっていません。
家族全員分のマイナポイント申請ができればその分だけポイント付与数も多くなるため、続報に期待したいと思います。(執筆者:石田 彩子)