目次
ジェットコースターのような動き「2月の株式相場」

2月下旬から3月第1週にかけて、世界の株式市場は大きな変動をみせています。
新型コロナウィルスが世界的に拡大を始めていたにもかかわらず、米国株式市場は2月19日に過去最高値を更新していました。
しかし、米国内の感染者数が増加してきたことなどを嫌気して、2月の最終週(2月24日~2月28日)にダウ工業株30種平均株価は3,500ドル以上下落しました。
日本の株式市場でも、同期間に日経平均株価が10%近く下落し、悲観一色といった状況になりました。
3月入り後は、ジェットコースターのような乱高下を繰り返しています。
まったく読めない新型コロナウィルスの動向
今年の1月に中国で新型コロナウィルスの話が出始めた際には、第一四半期(1~3月)には終息するとの考え方が一般的でした。
しかし、影響が中国国内にとどまらず、アジアやヨーロッパまで拡大しています。
特に韓国やイタリア、イランで感染者数が急増しており、パンデミックといっても過言ではない状況になってきています。
2月最終週以降の株価の変動は、このような新型コロナウィルスの終息時期がまったく見通せないことに起因しています。
新型コロナウィルスが景気や企業業績に及ぼす影響が読めない以上、投資家も適正な株価(フェアバリュー)を予測できず、足許の情報に一喜一憂している次第です。
したがって、ここから言えることは、
ということです。
フェアバリューが算定できない際に売買するのは、前が見えない状態で車を運転するのと同じです。
まずは、今後の予測が立つまで、様子見するのが賢明かと思われます。
新型コロナウィルス次第では4~6月期にも影響が及ぶ
様子見するといっても、株式相場はいつも先を見越して動きます。
そのため、新型コロナウィルスが完全に終息するまで待っていては、その間に株価は上昇しきって、投資機会を逃すことになるでしょう。
したがって、新型コロナウィルスの状況を日々把握しながらも、期間を切って予測を立てていく必要があります。
2つのシナリオを考えてみます。
シナリオ1:コロナ終息
3月中ないし4月上旬までに新型コロナウィルスの感染地域・感染者数がピークアウトするという楽観的なシナリオです。
このシナリオに近い結果になれば、1~3月期は最悪な状態であったとしても、4~6月期には回復してくると考えられ、早い段階で投資機会が訪れることでしょう。
シナリオ2:コロナ拡大
2つ目のシナリオは、4月入り後も新型コロナウィルスの影響がまだ拡大しているというものです。
このシナリオでは、1~3月期はもちろん、4~6月期まで景気を下押しすることになります。
このように終息時期が遅くなればなるほど、世界的なリセッション(景気後退)が視野に入ってくることになります。
その際には、なかなか投資機会は訪れないかもしれません。
ただただ日々新型コロナウィルスのニュースを追いかけるのではなく、このように期間を区切って将来予測を立てるようにすれば、株価の回復時期を逃すことなく、大きな投資チャンスをものにできるでしょう。(執筆者:土井 良宣)