世間を騒がせているコロナウイルスにより、世界中の株価が大幅に下落しています。
「つみたてNISA」などで初めて投資信託を購入されている方は、証券会社から「投資信託の下落通知」を受け、どうすべきか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、「投資信託の下落通知」受けたとしても慌てる必要はありません。
今回は、相場の下落時における投資信託の正しい運用方法についてお伝えしていきます。
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目次
下落通知が来ても冷静に対応
金融機関は、市場動向の急変や市場にインパクトを与える事象の発生により、投資信託の基準価格が大幅に下落した際に通知メールを送ることがあります。
その多くは、投資信託の基準価格が前日比5%以上下落した際に送られます。
証券会社から通知メールがきて、驚かれる方も多いことでしょう。
しかし、この通知メールを受け取ったからといって、すぐに売却が必要というわけではありません。
表示されている投資信託の基準価格は昨日の値段
投資信託の価格の算出は1日1回で、表示されている価格は前日(前営業日)の基準価格です。
前日の取引終了後に
です。
仮に、下落通知を受け取ってすぐに売却注文を出したとしても、その日の基準価格が決まるまで売却される金額がわかりません。
つまり、
なのです。
純資産総額が下がり続けている投資信託は注意が必要

純資産総額とは、投資信託に組み入れられている株式などを時価評価し、配当金などの収入も加えた資産総額から運用に必要なコストを差し引いたものです。
純資産総額が下がり続けている要因には、
・投資信託の解約
の2つが挙げられます。
今回のような株式相場の大幅な下落により純資産総額が大きく減ると、運用会社によっては強制的に運用を終了する「繰上償還」に踏み切る可能性もあるのです。
まずは保有している投資信託の純資産総額がどのような状況かを冷静に見極めてみましょう。
下落通知が来ても積立は継続
特に「つみたてNISA」の対象商品は、金融庁が認めた「手数料が安く、分散投資がされ、運用が安定している投資信託」が選ばれています。
つまり上記のような、純資産総額が減るリスクが低い商品が多いのが特徴なのです。
ドルコスト平均法の恩恵を存分に受ける
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そもそもなぜ「積立」をするのでしょうか。
実は、積立をすることで「ドルコスト平均法」の効果を得ることができるのです。
ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品(「つみたてNISA」の場合には投資信託)を常に一定金額で、時間を分散させて定期的に購入する方法です。
この方法で積立をすることで、価格が高い所で購入数量を抑え、価格が低い所で購入数量を上げることができ、結果的に買付価格を平準化することになります。
金融商品の多くは価格が変動するため、価格が高い時に一気に購入してしまうと、高値づかみしてしまう可能性があります。
安い時こそ積立投資を継続
今回のようなコロナショックで価格が安い時こそ、投資を継続するべきなのです。
下落通知がきて積立を中止することや、購入金額を下げてしまわぬよう、積立を継続させていきましょう。(執筆者:FP2級 福森 俊希)