生命保険は「主契約」と「特約」からなっています。
「主契約」とはメイン契約のことで、主な保障内容です。
一方、「特約」はオプションのようなもので、付けることで保障の幅を広げたりできます。
医療保険に「先進医療特約」を付けたり、終身保険に「定期保険特約」を付けたり、といった具合です。
しかし、この「特約」には大変重要な落とし穴があるのをご存じでしょうか。
実は、特約は自動的に消滅してしまうケースがあるのです。

目次
特約の自動消滅が1番起こりやすいのは「セット商品」
なぜ特約の自動消滅が起こるのかというと、そもそも「特約」の言葉の意味は「特別な約束がなされている」または「特別の条件をつけた約束」といった意味があり、その「約束」の中に特約が消えてしまう事象が入っているからなのです。
1番危険なケースは以下のような契約内容です。
特約:医療特約、定期保険特約、介護特約、特定損傷特約、収入保障特約、がん特約等
このような
たくさんの保障が1つの商品にセットされている商品です。
そして多くの場合、特約の保障期間は10年や15年ごとに更新され、保険料が上がっていく内容になっています。
特約が消えてしまう5つのケース
では、どういう場合に契約した特約が消えてしまうのでしょうか。
5つのケースを紹介します。
1. 高度障害保険金を受け取った場合
主契約が終身保険や養老保険の場合には死亡時だけでなく、失明してしまった場合などの「高度障害状態」になったら「高度障害保険金」を受け取ることができるケースがあります。
主契約の保険金を受け取った場合には契約は消滅しますので、特約も消えてしまいます。
2. 主契約を解約した場合
主契約を解約すれば、特約も解約となります。
特約のみで契約したり、特約だけ残すことはできません。
これが「特別の条件をつけた約束」=「特約」です。
また、特約は契約後に途中でつけることができないものもあります。
これも「特」別な「約」束です。
解約返戻金を受取りたいからと言って解約すると、特約も消えてしまうので困ってしまうかもしれません。

3. 解約返戻金の年金受取
全ての商品ができるわけではありませんが、保障の全部または一部を年金に移行できる商品があります。
この場合にも、付加している特約は消滅します。
このことを知らない方は多いと思われます。
4. 払い済み保険に変更する場合
払い済み保険は、保険料の支払いが困難な時に保険料を払わずに保障を残す方法です。
この場合には残る保障は主契約のみとなり、特約は全て消滅してしまいます。
5. 延長保険に変更する場合
延長保険も、保険料の支払いが困難な時に保険料を払わずに保障を残す方法です。
この場合にも残る保障は主契約のみで、特約は消滅します。
約款をよく読む、もしくは保険屋さんに説明してもらおう
以上、特約が消滅してしまうケースを紹介しました。
「せっかく保険料を支払ってきたのに、一方的に契約が消えてしまうって…ひどいなぁ」と、個人的には思います。
形式上は「全て承知の上で、約款も読んで理解して、契約しますよ!」ということに現場ではなっていますが、説明していない営業マンも多いでしょうから、自分の身は自分で守らなければなりません。
商品内容と保険料ばかりに気を取られていませんか。
約款は文字ばかりで読むのがおっくうなうえに時間もかかりますので、こういうことをわかりやすくポイントを絞ってしっかり教えてくれる、専門性の高い保険屋さんを探してください。(執筆者:永島 隆)