歴史的大暴落の流れから反発の雰囲気でしたが、前週の日経平均株価は世界情勢により想定より下で始まりました。
その後も軟調な展開ではあるものの、大きく下に割り込むことなく、じりじりと、はみ出るレベルで安値更新したものの、大きく底割れの形とはならず底練りしていると見受けられる一週間でした。
一旦底入れかと思われた13日でしたが、底入れとはなり切らなかったものの、動きは一旦急激な下げに対して歯止めがかかった状態となり、おおよそ300円ほどの安値更新となり、1万6358円という安値を付けました。
この金額は、アベノミクスの上昇2012年安値8228円から直近の日経平均の高値2万4448円への上昇の半値押しが、1万6343円となっており、概ね半値押しに到達したところまで来ていると考えます。
したがって、ここは一旦、下げ止まるかもという心理になる値ごろであり、反発期待の買いが入るポイントに来ていたと考えます。
ただ、一気に高値から半値押ししており、金額ベースで30%オーバーの押しとなったことを考えると、ここが下げ止まりではなく、下げの波動に入った前提での一回目の下げ波動と考えるのが妥当と考えられるので、多少の反発(もみ合い)をしても、結果的には底割れをして、再度底値模索になるという想定をしています。
目次
日経平均1万2000円台も
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今回の暴落を作った要因である新型コロナウイルスに関して、欧米での感染拡大がピークを迎え始めており、人の移動に本格制限がかかったことでの押しと考えられます。
そしてここからの下げに関しては、米国のピークに伴う対処の仕方によっては、もう一段押しもあるかと考えますが、私の中では前週の安値前後の範疇でしばらく底入れし、4月に入って各企業の経済的ダメージが数字として出てきた時に、再度底割れしてくると考えております。
従って、その底割れの前段階としてはそれなりの反発もあることを想定しつつ、その後の底割れに備える動きが必要になってくると考えます。
さらには、すぐの話ではないものの、東京オリンピックの開催有無によっての押しがあれば、その押しで底入れになって行く事も、私の妄想の中にはシナリオとして存在しており、その時は1万2000円台もあると考えます。
極端な妄想になりますが、過去に記載してきた平成2年と同じ動きを令和2年に当てはめると、今の1万6000円台がこの3月4月に起きるのがピタッとはまっており、その後は1万2000円台となり、その後約3年(またぎ)で高値から3分の2下げとなり8000円台が想定されます。(あくまでも妄想です。)
1990年以降の暴落するときは3年で高値から3分の2近辺までの値まで下げた経緯があります。
2000年4月から2003年4月までで2万0833円から7607円で63.5%の下落。
2007年7月から2009年3月までで1万8261円から7054円で61.4%の下落。
などが、ありました。
今回が絶対にそうなるという事でなく、いつも申すことですが、株は歴史同様で過去に起きたことを繰り返すものですので、過去を事例に未来予測をするのは必要なことと考えます。
週明けも底練りが継続
日本市場は、金曜からお休みとなったことで、日本市場は週末入りしてから世界は2営業日動きました。
米国ダウにおいては、1日目は下げ止まる雰囲気を作って小幅反発するも、2日目には、またまた2万ドルを割り込んで1000ドル弱の下落となり、トランプ景気の上昇をほぼほぼ飲み込みました。
その上で日本市場においては為替が円売りドル買いが進行し、円安傾向に変動したため、CME日経先物は木曜日の大引け時に比べ反発しており、このまま週末に大きな変化がなければ、週明けは大幅反発で始まる公算です。
しかし、先週同様、13日金曜日の値動きの範囲前後での推移を予測していることが週明けも実行されそうです。
そうみると週明けの週も底練りが継続する見込みと考えられます。
ただ、この週末に米国でのコロナ対応に動きが出ると考えられ、想定通りの週明けになるかは正直ここ数週間を見る限りでは微妙と考えます。
ニュースではNY州全社テレワークで、自宅で仕事をするようにという指示が出たとのことです。
この動きは米国全体に広がることが想定され、経済活動が麻痺してくると考えます。
さらには全世界に対して米国はビザの発行を止めました。これにより国家間の渡航も止まりました。
国内・グローバルともに人の動きに制限をかけたことで、感染拡大に歯止めをとなっていますが、おそらく週明けの一週間で成果は出ないと考えます。
すでに国内で広がっているウイルスの歯止めをかけるには遅い動きと考えられ、米国もイタリアと同じ道を歩むことが想定されることで、経済ダメージを意識することが考えられます。
この流れがどのタイミングで出てくるのか? 注目です。
現状分析
5日線
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一週間を通して下向きを維持しています。
位置としては、下を乖離してきましたが、週後半の水曜・木曜の2日間上髭が触れ始めたことで、下げの勢いに歯止めがかかって週末入りとなりました。
現状の想定のまま週明けとなれば、月曜日は5日線を跨いでくることが想定されます。
上を維持するか? そのまま乖離を維持するか? で反発の力強さの確認になってきますので、要注目となります。
25日線
変わらず下向きで下への乖離を継続しています。
週末木曜日の最大乖離が21.4%と乖離の縮小はしているものの、まだまだ乖離は大きいと考えます。
75日線
100日線とデットクロスを実現して下向きの角度が強くなってきています。
位置も変わらず下への乖離を維持しています。
移動平均線全体としては、上から100日、75日、200日、25日、5日という並びとなっており、弱い動きを進行させています。
トレンドライン
下に関しては、2013年の高値1万6300円近辺の横軸で、この値ごろはアベノミクスの上昇の50%押しと重なります。
その下が2016年のもみ合いの安値1万4800円台となります。
ここに関しては、同じくアベノミクスの上昇に対して61.8%の押しが1万4300円となり、この近辺も抵抗帯となると想定します。
上に関しては、直近は上記記載の前週木曜・金曜の窓で1万8200円前後、その上が1万9000円で、その上が2万0300円から400円の窓と2万1000円のもみ合いの下減とみます。
テクニカル指標
一目均衡表
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完全下方シグナルは継続中となります。
週明けも後半ないし次週から雲の向きが下となることで、下げの加速をしやすくなる形状となりますが、どうなるでしょうか?
遅行線に関しては日々線が狭いレンジでもみ合っているポイントにいるので、遅行線も横にスライドする動きになっているように見受けられます。
ボリンジャーバンド
バンドの拡大が終焉となり、+3σが横向き+2+1σは反転下向きとなり、バンド全体が下向きになるところまで来ております。
完全下降の形です。
そしてバンドウークは継続中で-2σもしくは-1σ到達が戻り高値と想定し売り場と考え-1σをしっかり上抜けで急下落が終焉の目安とします。
スローストキャスト
2本のラインが横向きとなっており、週明けしっかり上向きになるか?上向きになってどこまで上げていけるかが注目です。
総合判断
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全体的にまだまだ下げるだろうという見込みを示唆する動きですが、テクニカルは現状を示すので、未来予測をする上では、いったん下げ止まるかもと考えられる状況と考えます。
ファンダメンタル的には、国家レベルで相場の下落に歯止めをと試みる動きはことごとく空振りになっています。
中国の金融緩和策に多少の反応は見えましたが、週明けの動きで歯止めになっているのかの見極めです。
まだまだ感染拡大は週明けも続くことが想定されます。
日本国内においては、落ち着き始めている雰囲気は出ていますが、あくまで検査を限定しているだけの事です。
日本の感染者の拡大は、今から始まると考えます。このあたりにも注目しながら、動向を見極めていきたいと思います。
そして相場も大事ですが、皆様自身のリスク管理を徹底していただくことをお願いいたします。(執筆者:城 晶子)