自動車保険の保険料は、用途車種や使用目的、年間走行距離や記名被保険者(主に契約車両を運転する者)の年齢などから事故リスクを評価して決められています。
それに対しソニー損保は、自動車事故のデータから分析した事故リスクを基に、低事故リスクのドライバーに保険料をキャッシュバックする「やさしい運転キャッシュバック型」の保険を販売していました。
その新規申込みも2019年12月31日で終了し、ソニー株式会社、ソニー損保、ソニーネットワークコミュニケーションズ共同開発の、AIを活用した運転特性連動型自動車保険「GOOD DRIVE(グッドドライブ)」を2020年3月18日、新たに発売しました。
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目次
開始までの流れ
(1) 以下を確認しましょう
確認は、GOOD DRIVEのQ&Aの「利用できないスマートフォンはありますか」にある「計測可能か確認する」をクリックするだけの1つの動作でできます(詳細な説明もされています)。
GOOD DRIVEには専用デバイスが必要です。
それを車のアクセサリーソケットに装着しなくてはならないので、使用できるアクセサリーソケットとデバイスのためのスペースが必要です。
(2) 申込みとGOOD DRIVEアプリのインストール
申込み・見積もりは、スマホの専用サイトから行い、別途GOOD DRIVEアプリをインストールします。
(3) GOOD DRIVEデバイス装着
GOOD DRIVEデバイスが保険の始期日(補償開始日)の数日前に、ソニー損保から送られてきますので、契約車両に装着します。
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仕組み
運転時には必ずGOOD DRIVEアプリをインストールしたスマホを持ち込むことが必要で、アプリに搭載されたAIアルゴリズムがスマホから得られるデータをもとに、運転特性データを計測します。
計測の流れは以下の通りです。
アクセサリーソケットが通電、GOOD DRIVEデバイスがBluetoothの電波をスマホに発信
GOOD DRIVEアプリが電波を受信、自動的に運転特性の計測を開始
車のエンジンが切れるとデバイスの電波も切れ運転の自動計測も終了、計測されたデータはただちにアプリに反映されます。
計測する運転特性は以下の7項目です。
・ GOODアクセル
・ GOODハンドル
・ 急ブレーキ
・ 急アクセル
・ 急ハンドル
・ スマホ操作
それぞれGOODであれば加点、急であれば減点になり、保険契約期間中のすべての結果によって運転スコアが決まり、キャッシュバック率も決まります。
キャッシュバック率
保険料のキャッシュバック率は、以下の5段階です。
・ 5 %
・ 10 %
・ 20 %
・ 30 %
運転の計測結果の確認やキャシュバック金額の確認・受取り手続きも、GOOD DRIVEアプリでできます。
注意点
GOOD DRIVEに加入した場合、ソニー損保で同じ内容の保険に加入した場合より以下の点が不利になります。
1. 保険料が10%程度高くなる
保険料が最大30%が戻る可能性があり、事故リスクの低い運転が身に付く事を思えば、この10%は安いのではないでしょうか。
2. マイページ新規申込割引1,000円が使えない
自動車保険または医療保険の契約者がマイページから新たに自動車保険を申込むと、保険料が1,000円割引されます。
しかしGOOD DRIVEは契約者と記名被保険者を同じにしないといけませんので、ご家族で上記の既契約者がいてもこの割引が使えません。
ただし初年度のみ紹介割引1,000円がありますので、こちらを活用しましょう。
3. 通信料がかかる
GOOD DRIVEアプリでは運転を1時間計測するために3MBの通信量が必要で、そのパケット通信料はお客様負担になります。
4. 利用できるスマホとアクセサリーソケットが必要
アプリを利用できるスマホと使用できるアクセサリーソケットが必要です。
5. 保険期間中に保険を変更したい場合は解約が必要に
保険期間中にGOOD DRIVEではない保険に変更したい場合は、いったん解約、契約し直しが必要です。
その他の注意点や特徴については、サイトにて確認をしてください。
20等級の人の保険料節約にも
GOOD DRIVEは20等級の人や年齢に関係なく低事故リスク運転の人にとってはメリットが大きいです。
アプリには体験版もありますので、契約前に体験してみたいという人は利用されてはいかがでしょうか。(執筆者:金澤 けい子)