住宅ローンの「団信」について知っておくことは、保険見直しを考えるうえでとても大切です。
生命保険を自分で見直したいと考えるとき、重要なことのひとつが、「死亡保障」です。
住宅ローンの「団体信用生命保険」は、死亡保障について考えるとき、避けて通れない保険です。
でも、そもそも団体信用生命保険とは何でしょうか。
今回は、「団体信用生命保険 基本編」について、保険見直し相談歴18年のFPである私がお伝えします。
団体信用生命保険の基本がわかりますので、ぜひ参考にしてください。

目次
団体信用生命保険とは「強制加入と任意加入」
まずは、団体信用生命保険をカンタンにご説明します。
団体信用生命保険とは
(A) 住宅ローンを組んだ人(家を購入した人)が
(B) 返済期間中に死亡や高度障害などの事態になってしまったとき
(C) ローンの返済が困難になるので
(D) 残った住宅ローン残高を保険会社が(A) に代わって返済するという保険
のことをいいます。
「生命保険」といっても
・ 生命保険料控除の対象にはならない
といった、一般の生命保険とは異なる特徴をもっています。
団体信用生命保険は、大きく分けて2種類があります。
住宅ローンの契約者自身が加入するかどうかを決める「任意加入」
それぞれご説明します。
「強制加入」の団体信用生命保険
強制加入を知るうえで、ポイントは4つです。
1:「強制加入」とは
2:「強制加入」の理由
3:「強制加入の団信」の特徴
4:「強制加入の団信」がついている住宅ローンはコチラ
それぞれご説明します。
1:「強制加入」とは
強制加入とは、「団信に加入しないと、住宅ローンを組めない」ということです。
例えば、
と申し出ても通りません。
団信と住宅ローンは必ずセットで契約します。
2:「強制加入」の理由
団信と住宅ローンをセットで契約させる理由は、契約者に万一のことが起きた場合に、返済できなくなると困るからです。
住宅ローンは多くの場合1,000万を超える金額を10年以上かけて返済します。
お金を貸す銀行側としては、貸したお金が返ってこないと困ります。
お金を借りる契約者側としては、契約者に万一のことが起きたあとも、毎月大きな金額の返済が残っていると経済的に負担がかかります。
しかし、期間が長いため何が起きるかはわかりません。
そのため、住宅ローンの契約者に万一のことが起きた場合でもスムーズに返済できるよう、団信と住宅ローンをセットで契約してもらう仕組みを作っています。
3:「強制加入の団信」の特徴
強制加入の団信の特徴は、「保険料が金利の中に含まれている」という点です。
団信の保険料としての、個別での徴収や金利の上乗せはありません。(「特約」を契約した場合には、特約保険料が別途かかります。)
4:「強制加入の団信」がついている住宅ローンはコチラ
民間の金融機関が提供している「住宅ローン」はすべて、「強制加入」の団信が付帯されています。
ほかには、中央労働銀行が提供する、「ろうきん団信」(正式名称「中央労働銀行団体信用生命保険」)が強制加入の団信です。
「任意加入」の団体信用生命保険

任意加入の団体信用生命保険を知るうえで、ポイントは2つです。
1:「任意加入」とは
2:「任意加入の団信」の代表 機構団体信用生命保険(フラット35)
順番にご説明します。
1:「任意加入」とは
任意加入の団信は、住宅ローンの契約者が団信に加入するかどうかを選択できます。
強制加入との最大の違いは、「団信に加入せずに住宅ローンを借りられる」点です。
任意加入の団信では、「フラット35」の機構団体信用生命保険が良く知られています。
2:「任意加入の団信」の代表 機構団体信用生命保険(フラット35)
有名な「フラット35」の団信は任意加入で、機構団体信用生命保険と呼ばれます。
機構団信は、「加入する団信に応じた保険料を、金利に上乗せして払う」のが特徴です。
参考元:フラット35
加入する団信に応じた借入金利が適用されます。
もちろん団信に加入せずフラット35を利用することも可能です。
団信を知って、保険見直しをスムーズに
今回は、保険見直しの中から、団体信用生命保険について取り上げました。
住宅ローンを組むときは、土地や住宅やローンなど考えることがとても多く、団信のことまであまり考えません。
団信について知ることで、「住宅ローンの契約者が万一のとき」に、残りの住宅ローンを家族が支払っていくかどうかがわかり、準備する死亡保障の金額を具体的に考えられます。
この機会に、団信について1度確認してみることをおすすめします。(執筆者:安藤 環)