コロナ・ウィルスが全世界で猛威を振るっています。
多くの方が亡くなっている世界的な問題になっていますが、人命だけでなく経済状況も大変なことになっています。
日経平均株価は、一時1万6,000円台まで下落しました。
株式や投資信託などの金融商品を持っている方の多くが含み損を抱えてしまっている状況ではないでしょうか。
多くの金融商品の価格が下落する中、今銀行や証券会社で大問題になっている商品が「仕組債」です。
そこで今回は、コロナショックによって仕組債がどのような状況になっているのかについて説明します。

目次
多くの「仕組債」がノックインしている
証券会社や銀行で販売している、仕組債の代表的な商品は日経平均株価やブラジルレアルなどの為替に連動した商品です。
「仕組債」はある一定水準まで株価が下落したり為替が円高にならない限り投資元本が保証される商品です。
「仕組債」は、一般的に金利が高いので預金金利の低い今、多くの投資家が購入している商品です。
日経平均株価に連動しているインデックスファンドの場合、日経平均株価が1円でも下落したら含み損を抱えることになります。
しかし、「仕組債」は、購入した時の日経平均株価の60%や70%まで下落しない限り投資元本が割れることはありません。(発行体の信用状況などは除く)
この一定の価格まで下がったら元本割れのリスクが発生する価格のことをノックイン価格といいます。
多くの投資家は、ノックイン価格までは、株価は下落しないだろうと思い高い金利目当てで仕組債を購入します。
しかし今回のコロナショックの影響で多くの仕組債がノックイン価格まで到達してしまっているのです。
リーマンショックの時も多くの仕組債がノックインした
「仕組債」のノックインで思い出すのがリーマンショックです。
リーマンショックの時も多くの仕組債はノックイン価格まで到達しました。
当時、銀行や証券会社の顧客は仕組債のリスクを完全に理解せずに購入していたため、多くのクレームが起こりました。
特に銀行では、
「リスクはないと支店長や担当から聞いた。」など
販売体制に多くの問題があったことが浮き彫りになりました。
その後、銀行や証券会社の仕組債の販売体制は強化されましたが、それでも十分とはいえません。
今後多くの問題が噴出してくることが想定されます。
「仕組債」はリスクがすごく高い商品

「仕組債」は一見ノックイン価格が低めに設定されているため安全性の高い商品であると勘違いしている投資家がいます。
しかし、今回のコロナショックのようなことがあると簡単にノックイン価格まで到達してしまいます。
また株価の上昇は下落のスピード程早くないのでなかなか元本を回復するのが難しい商品です。
「仕組債」を購入する際はリスクが高いことをしっかり理解してからにしましょう。
「仕組債」の購入をする際は慎重に
今回は、「仕組債」のノックインについて説明しました。
今後多くの銀行や証券会社で仕組債関連のクレームが増えることが想像されます。
「仕組債」に手を出していない投資家は今回のコロナショックをいい教訓にして「仕組債」の購入をする際は慎重に行うようにしましょう。(執筆者:渡辺 たけし)