賃貸物件から退去するときには、引っ越しの挨拶品を購入したり新居への引っ越し代がかかったりと、とにかく「お金がかかる」イメージがあります。
でも、賃貸物件を退去する際には「請求できるお金」があります。
そのほか、努力や交渉によっては敷金が戻ってくる可能性もありますので、そちらも併せて紹介します。
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目次
退去時に「請求できるお金」
賃貸物件から退去する際に請求できるお金には次のようなものがあります。
・ 敷金
引っ越しで何度も退去を経験したが、「どちらも戻ってこなかった」という人も多いかと思いますので、今日はそのあたりも含めて説明していきます。
退去時に「火災保険料」を請求するには
アパートやマンションなどの賃貸物件に入居時する際には、火災保険に必ず入る必要があります。
「まずは2年の火災保険を契約し、その後は退去するまで案内のあるままに掛け続ける」という人が多いことでしょう。
実は、こちらの火災保険は掛け捨てではありません。
たとえば、
のです。
手続きは、一般的には電話での問い合わせと書類を書いて返送するだけの簡単な作業で終わることがほとんどなので、たとえ数千円でも手続きしたほうがお得です。
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火災保険の残り金額を請求するために
契約した火災保険を取り扱う保険会社に連絡する必要があるため、契約証書や契約証書が入っていた封筒などは捨てないようにしましょう。
個人の担当者名などがわからなくても、保険会社の名前がわかれば、本社などに問い合わせて証券番号を言えば手続きしてもらえます。
連絡先がわからない場合に、入居時に契約した火災保険の会社が変わっていないのであれば、物件の仲介をしてくれた不動産業者に尋ねてみましょう。
最初の火災保険の契約時には、不動産業者が窓口になっていることが多いものです。
退去時に「敷金」を返してもらう
「敷金は返ってこないもの」と思い込んでいる人が多いようですが、実は返ってくるケースも意外とあるのです。
退去時には、原状回復といって賃貸物件を借りたときと同じ状態に戻さなくてはいけないという決まりがあります。
しかし、普通に使っていて生じた傷みや建物・設備などの自然な変化については、家主が負担するべきとされているのです。
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また、
借主は、原則として故意・過失あるいは善管注意義務違反によって生じた賃貸住宅の損耗についてのみ責任を負う。また、原則として、損耗部分を含む最小範囲(一般的に、壁紙や天井は 1 ㎡単位、畳は一畳分)の修繕費用を負担すれば足りる。全面張替えの費用を請求されたとしても、言われるままに支払う義務はない。
独立行政法人国民生活センター
「賃貸住宅の退去時に伴う原状回復に関するトラブル(pdf)」
という決まりや、
通常損耗・経年変化部分の修繕(具体的には、損耗部分の修理・交換、ハウスクリーニング、リフォーム工事等)を行う際は、家主が費用を負担すべきものとされている。
独立行政法人国民生活センター
「賃貸住宅の退去時に伴う原状回復に関するトラブル(pdf)」
という決まりがあります。
そのため、高い敷金を支払っている人は敷金が戻ってくる可能性が十分にありますし、筆者の周りでも実際に敷金を戻してもらった人もいます。
「敷金」を返してもらうためにできる3つのこと
そこで、敷金を戻してもらう可能性を高めて損をしないためにできることを3つ以降で紹介します。
1. 入居時もしくは立ち会いの前に写真を撮る
既に入居中でこれから退去を考えている場合には、退去の立ち会いを行う前に外観と内観の両方をくまなく撮影し、プリントアウトしておきます。
特に汚れや傷みのある部分は「引きとアップ」を複数枚撮っておくのがおすすめです。
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2. 不動産業者と大家さん両方に立ち会ってもらう
できれば不動産業者さんと大家さんの両方に同時に立ち会ってもらい、その場で
・ 実際にどこを直すのか
・ どのくらいのお金がかかるのか
を尋ねてみましょう。
また、ハウスクリーニング代やリフォーム代、畳やフローリングの全面張り替えの料金を請求されたときには、原状回復にあたらないのではないか確認します。
この際に「言った、言わない」などのトラブルになってはいけないので、立ち会いがはじまる前にスマホなどでやり取りを録画する承諾をもらっておくのがおすすめです。
3. 写真をもとに修理箇所と金額を書き込んでもらう
事前に撮影しておいた外観や内観の写真をプリントアウトし、大きな方眼紙などに貼り付け、
・ 汚れや傷みがどこにあるのか
を書き込んでおきます。
たとえば、「リビング南側の壁、右下に半径10センチほどの汚れアリ」などといった具合です。
汚れや傷みのある箇所は、引きとアップの写真を貼っておきます。
そして、
と方眼紙を渡しましょう。
たとえ大家さんが原状回復の決まりについて知らなくても、不動産業者の人は熟知しているケースが多いものです。
そのため、こうして
のです。
つまり、敷金がいくらか戻ってくることもあり得るのです。
筆者の知り合いは、この方法で「敷金プラス5万円かかる」と言われていたものを敷金内におさめてもらっていました。
また、筆者の場合には、借りた時に写真を撮っておいたおかげで物件の退去がとてもスムーズに済み、時間の節約になりました。
戻るものは請求して今後の生活費に活かす
「もしかしたら請求できるかも」と思っても、その方法や手続きがわからないと面倒に感じて諦めてしまうことがあります。
今回紹介した方法であれば、少しの手間で戻るお金を増やせる可能性が高まります。
戻るものは請求して、今後の生活費に活かしてください。(執筆者:山内 良子)