現在、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを余儀なくされている筆者も、適宜顧客に対して状況確認をしたり今必要な情報を提供しています。
顧客は法人がメインですが、先日のお電話にて経営者の方がこんな声を発していました。
また、賃貸不動産のビルオーナーは
新型コロナウイルスの終息が見える、トンネルの出口も見えている。
そんな状況ならまだ打つ手もありますが、それが不可能なら国や自治体の支援策を徹底的に検討する事は不可欠であると思います。
ただ、日頃経営一筋に頑張っていらっしゃる経営者にとっては、自分の会社にとってどんな支援策があるのかが見えにくく、申請自体になじみもなく複雑で分かりにくいのが現状です。

目次
生活困窮者自立支援法「住宅確保給付金」を提案
先のビルオーナー経営者の方には、生活困窮者自立支援法「住宅確保給付金」を店子さんに紹介する事を提案させていただきました。
これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の状況を踏まえ、休業等に伴う収入減少により、離職や廃業に至っていないがこのような状況と同程度の状況に至って、住居を失うおそれが生じている方々に対して、一定期間家賃相当額を支給できるよう4月20日から拡充されたものです。
支給期間は原則3か月ですが、一定要件のもと最長9か月まで延長が可能です。
支給額・支給要件・問い合わせ先等については、厚生労働省のホームページにリーフレットも掲載されていますのでご確認ください。

ここで、この法律の「住宅確保給付金」の定義を確認してみます。
法第3条(定義)
この法律において「生活困窮者住居確保給付金」とは、生活困窮者のうち離職又はこれに準ずるものとして厚生労働省令で定める事由により経済的に困窮し、居住する住宅の所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を失い、又は現に賃借して居住する住宅の家賃を支払うことが困難となったものであって、就職を容易にするため住居を確保する必要があると認められるものに対し支給する給付金をいう。(引用元:生活困窮者自立支援法)
となっています。
注意すべきポイントを確認いたします。
(1) 収入減少理由について
給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由・当該個人の都合によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にある者が条件となっています。
具体的には、経済社会情勢の変動等により当該個人の意思にかかわらず、雇用主や発注元から勤務日数や就労機会の減少を余儀なくされた場合を指し、自らの意思で勤務日数を減らす、就労時間を減らして余暇に充てる等の場合は除かれます。
(2) 離職又は事業を廃止した場合と同等程度の状況にある場合

フリーで活動しているスポーツジムインストラクターにおいて、契約しているスポーツジムが一部休業することとなり、週4~5日活動していたところ週2~3日程度以下となった。(スポーツジムのシフト 表等で確認)
フリーで通訳をしている者において、参加予定であった海外からのゲストを招いた2週間のイベントが自粛のため中止となった。(イベント中止のチラシ、通訳として参加予定だったことが分かるメールの写 等で確認)
アルバイトを2つ掛け持ちしている者において、景気の悪化により1つの事業所が休業となり、シフトがなくなった。(事業所が休業となったことが分かるHPの写し等で確認)など
が事例として挙げられており、状況確認ができる書類等が必要です。
その他、外国人の方、内定取消を受けた学生の方も一定の要件のもと支給対象となります。
(3) 現状で困窮している状況はどこの時点と比較するのか
まず勤務日数等については、申請日の属する月とその前月等を比較します。
例えば、前月は週4~5日の勤務シフトであったものが、今月は週2~3日以下に減少した場合等です。
なお、必ずしも前月から減少している場合のみでなく、例えば2か月前から減少し、その状態が当月まで続いている場合や、フリーランス等で業務量が一定していない就労形態の場合、3か月間の平均受注量と比較し、減少している場合等も該当します。
(4) プランの作成について
手続きをできる限り簡潔に、かつ迅速に進めるため、住居確保給付金の支給のためにプランを作成することは求められていません。
家賃の負担については、報道でも頻繁に取り上げられています。
収入が滞っても、家賃は待ったなしの固定費です。

先程のリーフレットには、受給資格の可能性の有無を確認するチェックリストが掲載されていますので、1度確認してみてください。(執筆者:松山 靖明)
5月3日追記
4月30日に厚生労働省より下記のように変更がありました。
