2015年に相続税の基礎控除が改正されました。
それまでは相続税が課税される割合は相続全体の4%ほどでしたが、税制改正によって8%ほどと倍増しています。
現在の相続税の基礎控除額は「3,000万円 + 法定相続人 × 600万円」なので、妻と子供2人の一般的な家庭の場合には、基礎控除額は4,800万円までです。
法改正以前は、相続税は一部の富裕層のみが払う税金というイメージであったかもしれませんが、今後は多くの方が相続税の対象になる可能性があるのです。
相続税対策にはさまざまな方法がありますが、今回は、生命保険の解約返戻金を利用した相続税対策について説明します。

目次
生命保険の解約返戻金を利用した相続税対策とは
生命保険は、一般的には死亡保険金の保障を得るために加入する商品です。
しかし、生命保険には死亡保険金以外にも相続税の対策に利用できる方法があるのです。
生命保険を次のような契約形態で契約するとします。
相続税対策が必要な人
【被保険者】
相続税対策が必要な人の家族
【死亡保険金受取人】
相続税対策が必要な人
このような契約形態で生命保険を掛けた場合には、
生命保険の契約は、被保険者に万が一のことが起きない限りは継続されるので、遺族がこの生命保険を引き継ぐことになります。
生命保険を引き継ぐ際の評価額は、その時点での解約返戻金になります。
のです。
低解約返戻率の保険を選ぶ
この相続税対策を実行する際に選ぶ保険は、低解約返戻率の保険です。
低解約返戻率の保険とは、保険を契約してから一定期間、解約返戻率が極端に低い保険のことを言います。
のが特徴です。
このタイプの保険を利用すれば、解約返戻率が低い時に相続税対策が必要な人に万が一のことがあれば、大きく評価額が下がるので支払う相続税も少なくなるのです。
また、おめでたいことに、相続税対策が必要な人に万が一のことがない場合、
ので損をすることはありません。
戻ってきたお金でまた同じ仕組みにもできます。
現預金を圧縮したい場合にお試しください
今回は、生命保険を利用した少しイレギュラーな相続税対策について説明しました。
死亡保険金の非課税枠は「500万円 × 法定相続人の数」です。
これをすでに利用していてさらに現預金を圧縮したい場合には、今回のスキームを検討してみてください。(執筆者:渡辺 たけし)