2020年4月より派遣法が改正され、
・「同一労働・同一賃金」を前提とした待遇改善がなされる
など、派遣社員がより働きやすいような制度が整えられてきています。
とはいえ、派遣法で
ことが定められている以上、いつかは契約終了、もしくは解雇の時が来てしまいます。
この記事では、解雇された時にもらえるお金「失業保険」と「解雇予告手当」についてまとめました。
目次
失業保険(失業給付金)
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「失業保険」は、雇用形態にかかわらず、雇用保険に加入さえしていれば全ての人が受けられる保険です。
給付は派遣会社ではなく、ハローワーク(公共職業安定所)からの給付です。
ただし、雇用期間が31日未満の短期の方や、週の勤務時間が合計20時間以下のパートタイムの方など、条件によっては未加入の方もいます。
よく分からない方は派遣会社に確認してみましょう。
参照:厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!」
さらに、派遣社員の離職は「特定理由離職者」となる場合が多いです。
「特定理由離職者」とは、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者とされています。
ここでいう契約の期間が満了とは、派遣法で定められた最大3年ではなく、○か月ごとの契約とされている期間のことを指します。
参照:厚生労働省・都道府県労働局・公共職業安定所(ハローワーク)「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基純(pdf)」
特定理由離職者の条件が適応された場合、失業保険がもらえる条件である「失業するまでの過去2年間の間に、雇用保険に入っていた期間が通算1年以上あること」が緩和され、
・「通算1年 ⇒ 半年」
となります。
派遣会社には、自社に登録している派遣社員が契約満了で離職した場合、次の派遣先を見つけ就業させる義務があります。
そのため、
・ 次の仕事を派遣会社がなかなか紹介してくれない場合
などでも特定理由離職者として扱われる可能性が高くなります。
まとめると、派遣社員が失業保険をもらうための条件は、主に以下の通りです。
・ 失業するまでの過去1年間の間に、雇用保険に入っていた期間が通算半年以上あること
特定理由離職者の場合は条件緩和 ※一般的には「過去2年」「通算1年」
・ 契約が満了、もしくは更新月で離職し、次の仕事の紹介を希望していたのにもかかわらず、仕事紹介がされなかった(働く意思があるのに働けない)
さらに、失業理由が「会社都合」もしくは「自己都合」であるかによっても、給付内容が変わります。
派遣社員が離職すると、離職した日から約1週間から10営業日くらいを目安に「離職票」が届きます。
正式には「雇用保険被保険者離職票」と呼ばれる書類であり、ハローワークに失業保険の申請をする際の手続きに必要ですので、必ずもらうようにしましょう。
一般的には自動的に派遣会社から送られてくることが多いです。
その離職票に、離職が「会社都合」なのか「自己都合」なのかが記入されています。
会社都合か自己都合かによって、給付開始時期などが変わります。
もし事実と違うことが記入されていれば、派遣会社にその旨を相談しましょう。
会社都合の場合
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倒産などの退職理由は「会社都合」となります。
この場合は、前述の「特定理由離職者」と同様の条件緩和がなされます。
支払われる時期は、
の後すぐに支払われます。
給付日数は90日~330日です。
自己都合の場合
違う職種への転職などの退職理由は「自己都合」となります。
自己都合の場合は、上記の待機期間7日間が終わった後も、「3か月間の給付制限期間」とされ、給付を受けることができません。
よって、実際に受け取るのは4か月後以降となります。
給付日数は90日~150日です。
失業保険の給付金額は、前職の勤務年数、給与額などによって変わるため、人によって違いますが、最大で118万円まで受け取ることができます。
解雇予告手当
従業員を解雇する際には、正当な理由があってもなくても、解雇日の少なくとも30日以上前から解雇する旨を予告するか、予告を行わない場合は平均賃金30日分の手当を支払うことが義務付けられています。(労基法第20条)
派遣社員の場合、どうしても契約の途中で派遣社員を解雇、もしくは派遣会社(派遣元)が派遣社員を登録解除しなければならないような場合に給付を受けられるとされています。
予告期間が30日より短い場合、予告されなかった期間分だけ支払われるケースもあります。
筆者の身近な派遣社員ではこの手当をもらったという方がいないのですが、雇用形態にかかわらず、全ての労働者が対象になる手当です。
そのため、予告がされないまま解雇になった場合に該当する方は、派遣会社に確認してみるとよいでしょう。
使える制度を理解して安心感のある求職活動をしよう
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給与がもらえない期間があると、とても不安になります。
特に派遣社員の場合、どうしても3年間の有期雇用となりますので手当金のお世話になる機会が多くなります。
使える制度をしっかり理解し、少しでも心配事をなくして求職活動をしていきたいです。(執筆者:尋本 景子 監修:社会保険労務士 拝野 洋子)