固定資産税は、1月1日の時点で建物や土地などの不動産を所有している場合、その不動産のある住所地の自治体から課税されます。
マイホームなどの不動産を所有した場合は、売却などで手放すまで支払を続ける義務が生じるのです。
そのため、マイホームの購入に際して心理的ハードルとなるばかりか、金銭的にも軽視することのできないコストであるといえます。
今回は、マイホームをはじめとする不動産を所有するならば、絶対に知っておきたい固定資産税の仕組みについて解説していきたいと思います。
目次
固定資産税とは

固定資産税とは、毎年1月1日時点で、市町村役場などで管理する「固定資産税台帳」に登録されている土地や建物、償却資産について、その所有者に課される税金です。
このため、1年の途中で不動産を売却しても、固定資産税については1年分の納税義務が生じます。
不動産売買の取引慣行上、売主・買主双方が不動産の所有日数に応じて日割りで負担することが多いのですが、原則としては売主が全額を支払う義務があります。
売買取引の経験が少ない方は、固定資産税の取り扱いについて忘れないように確認しておきましょう。
固定資産税の算出方法
固定資産税の税額は、
で算出されます。
土地の場合
固定資産税評価額は、土地の場合、国土交通省の土地鑑定委員会が公表している「公示価格」の70%を指標として評価額を算出します。
建物の場合
建物に関しては、使用されている建材やコンセント数などの設備によって評価額を算出します。
固定資産税評価額は不変のものではなく、3年に1度実施される「評価替え」によって評価額が見直されます。
固定資産税の軽減制度

住宅用の固定資産税については、いくつかの軽減制度が設けられています。
今回はその中の「住宅用地の課税標準の軽減」と、「新築住宅の税額軽減」の2つの制度を紹介します。
住宅用地の課税標準の軽減
200平米を基準に、軽減率が異なります。
・ 一般住宅用地:1戸あたり200平米を超える部分の課税標準を3分の1に軽減
住宅用地の課税標準の軽減は、建っている住宅の延べ床面積の10倍が上限です。
なお、放置され倒壊の危険のある「特定空家」に指定された場合は本軽減措置の適用を受けられません。
新築住宅の税額軽減
本制度には「新築の一般住宅」と、マンションなどの「新築の中高層耐火住宅」の2つの適用区分があります。
新築の一般住宅
新築の一般住宅の場合は、床面積が50平米以上、80平米以下が適用要件で、床面積の120平米以下の部分の税額が2分の1に軽減されます。
軽減される期間は、新築から3年間(長期優良住宅の場合は5年間)です。
新築の中高層耐火住宅
新築の中高層耐火住宅の場合は適用要件、軽減内容ともに新築の一般住宅と同様です。
ただし軽減期間が延長され、新築から5年間(長期優良住宅は7年間)です。
軽減措置を活用しよう
固定資産税は不動産を所有し続ける限り、毎年支払いの義務が生じる長期的な費用です。
負担を軽減するため、いくつかの特例が実施されていますが、適用には要件が設定されています。
マイホームなどの不動産を取得する場合は、固定資産税の仕組みを把握しつつ、軽減措置をうまく利用してコストを削減していきましょう。(執筆者:菊原 浩司)