腕時計だけで改札を通過したり買い物をしたりする姿、スマートですね。
それが可能なのは、これまで「Apple Watch」だけでした。
しかし、2020年5月21日以降は「Garmin」のウェアラブルデバイスでも可能となるので、早速紹介します。
目次
5月21日より「Garmin」の時計でSuicaが利用可能に

Garminは、GPS製品を提供するアメリカの会社で、スポーツ・アウトドア用スマートウォッチで有名です。
そんなGarminの一部ウェアラブルデバイスで、2020年5月21日より「Suica」が利用できるようになります。
年会費・デポジットは無料です。

対応予定機種
対応予定機種は、以下の通りです。
・ Approach S62シリーズ
・ fenix 6X シリーズ
・ fenix 6X Pro Dual Powerシリーズ
・ fenix 6Sシリーズ
・ fenix 6 シリーズ
・ Legacyシリーズ
・ Venuシリーズ
・ vivoactive 4/4Sシリーズ
・ vivomove 3/3Sシリーズ
・ vivomove Style/Luxeシリーズ

最安は「vivomove 3/3Sシリーズ」で、実勢価格は2万7,000円程度です。
Suica対応のGarminでできること
Suica対応のGarminでは、以下のようなことができます。
公共交通機関の利用・お店での買い物

ウェアラブルデバイス上にSuicaを発行すれば、Suicaが利用可能な電車・バスなどの公共交通機関に乗れます。
Suicaが利用可能な店舗であれば、買い物も可能です。
Google Payによる入金(チャージ)

専用ページからGoogle Payのアカウントを作成し、クレジットカードを登録したら、時と場所を選ばずSuicaにチャージできます。
Androidスマホから「チャージする」ボタンを押してチャージ金額を押すだけで、チャージ可能です。
他にも、店頭・券売機からの現金チャージもできます(残高上限は2万円)。
JRE POINTが貯まる

JRE POINTのWEBサイトでGarminのSuicaを登録すると、Suica利用でJRE POINTが貯まります。
貯まったJRE POINTは、1ポイント=1円でSuicaにチャージできるなど、使い道も豊富です。
残額表示・前日分までの履歴表示

GarminのSuicaの残高を、スマホから確認できます。
前日分までの履歴を、鉄道利用だけでなくチャージ履歴や買い物履歴まで表示可能です。
GarminとApple Watchとの違い

ウェアラブルデバイスとSuicaとの連携における元祖は、「Apple Watch」です。
Apple WatchとGarminには、どんな違いがあるのでしょうか。
GarminはiPhone・Androidスマホの両方とも連携できる
Apple WatchとGarminでは、連携できるスマホが以下のように違います。
・Apple Watch … iPhoneのみ
・Garmin … iPhone・Androidスマホ
Androidスマホユーザーが利用したい場合は、Garmin一択ですね。
Apple Watchはスマホを使わず直接チャージできる
iPhoneを取り出さなくても、Apple Watchは直接チャージ可能です。
Apple WatchのWalletアプリからApple Watchにクレジットカードを追加しておけば、Apple Watchの「チャージ」ボタンで簡単にチャージできます。
一方のGarminはチャージにスマホが必要で、Garminから直接チャージはできないようです。
Garmin → スマホへのSuica移動はできない
Apple Watchの場合、iPhone→Apple Watchだけでなく、Apple Watch → iPhoneにSuicaを移動できます。
Garminの場合、スマホ → GarminにSuicaを移動できますが、Garmin → スマホにSuicaを移動できません。
GarminではSuica定期券を使えない
Apple Watchでは、Suica定期券を使えます。
一方のGarminでは、Suica定期券を使えません(バス定期券も含む)。
Suica定期券を利用する方は、カード・スマホ・Apple Watchのいずれかを利用しましょう。
GarminではSuicaグリーン券を購入できない

Apple Watchでは、Suicaグリーン券を購入できます。
Suicaグリーン券があれば、通勤・通学やレジャーでの長距離移動も楽チンです。
しかし、GarminではSuicaグリーン券を購入できません。
Garminではエクスプレス予約を利用できない
東海道・山陽新幹線のチケットをいつでもお得価格で購入でき、切符を受け取らず改札を通過できるサービスが、「エクスプレス予約」です。
Apple Watchでは利用できますが、Garminでは利用できません。
Garminは機種変更をしてもSuicaの残高を引き継げない
「旧Apple WatchのSuicaを削除 → 新Apple WatchとiPhoneを連携 → 新Apple Watchにsuicaを追加」とすれば、Apple Watchは機種変更をしてもSuica残高を引き継げます。
ただし、Garminは機種変更をするとSuicaの残高を引き継げないようです。
その他注意点
その他、GarminでSuicaを利用する際には、以下の点に注意してください。
ソフトウエアの更新が必要
すでに対象のGarmin製品を持っている人も、ソフトウエアの更新が必要です。
Suicaを利用する前に、忘れずアップデートしておきましょう。
デバイス1台につきSuicaは1枚
1台のウェアラブルデバイスにつき、登録できるSuicaは1枚だけです。
2枚のSuicaを一緒に入れようとしても、できません。
オンラインでチャージの場合は「Google Pay」で
券売機やレジ以外のオンラインでチャージする場合は、AndroidスマホでもiPhoneでも、Google Payを使ってください。
「iPhone=Apple Pay」のイメージがありますが、Apple Payではチャージできません。
Androidスマホユーザーは検討の価値あり
Apple WatchはiPhoneとしか連携できないので、AndroidスマホユーザーにとってGarminは有力な選択肢です。
また、Apple Watchと比較してGarminはスポーツ・アウトドア向きのデバイスなので、スポーツ・アウトドア好きの方もいいですね。
ただし、肝心のSuica機能がApple Watchほど充実していないので、機能拡充を待っても良いかもしれません。(執筆者:角野 達仁)