筆者は今年も、しっかりと軽自動車税の納付をしました。
給付金の10万円も入ったので、ちょうどいいタイミングでした。
ただし、中には自動車税・軽自動車税が納付できない人もいます。
今回は、自動車税・軽自動車税の未納に伴うデメリット、そして納付できないときに取るべき対処法を紹介しましょう。
目次
まずは自動車税・軽自動車税についておさらい

自動車税・軽自動車税は、毎年4月1日時点における車の所有者に対して、課税される税金です。
普通自動車(自動車税)は都道府県税、軽自動車は市区町村税として課税されます。
5月上旬ごろに納付書が発送され、5月31日が納付期限となっているのが一般的です(青森県・秋田県は6月上旬に発送、6月30日が納付期限)。
主な自動車の税額は、以下の通りです。
・ フィット・アクア:3万4,500円
・ プリウス:3万9,500円
・ ヴォクシー:3万9,500円
・ アルファード:4万5,000円
新規登録から13年経過すると自動車税が高くなる
新規登録から13年を経過した車は、環境に対する負荷が高くなるとの理由で、以下のように自動車税・軽自動車税が15%高くなります。
・ 排気量~999cc:2万5,000円 → 3万3,900円
・ 排気量1,000~1,499cc:3万4,500円 → 3万9,600円
・ 排気量1,500~1,999cc:3万9,500円 → 4万5,400円
・ 排気量2,000~2,499cc:4万5,000円 → 5万1,700円
ただし、ハイブリッド車は新規登録から13年を経過しても、自動車税が高くなりません。
逆に、2019年10月1日以降に購入した新車は自動車税が引き下げられます。
自動車税を期限内に納付できないとどうなるか
自動車税・軽自動車税は、金融機関窓口・コンビニのレジ・インターネットを使って納付できます(自治体によって対応は異なる)。
納付方法を豊富に用意することで、納付率を上げようということです。
お得な納付方法については、以下の記事をご覧ください。

1. 車検を受けられない
自動車税・軽自動車税を期限内に納付できないと、車検を受けられません。
というのも、車検の際には自動車税・軽自動車税が納付済みであることが必要だからです。
2. 納付方法が限定される
延滞した自動車税も納められますが、コンビニでの納付ができなくなるのが一般的です。
買い物ついでにサクッと納付できないのは、不便です。
3. 延滞金がかかる
期限内に納付できないと延滞金が発生します。
納付期限を超過すると延滞金が発生し、1か月以内では年2.6%、それ以上になると年8.9%の日割り計算です。
排気量1,000cc以下の乗用車を例に、延滞金を計算してみましょう。
・ 延滞日数180日:2万5,000円 × 8.9%÷ 365日 × 180日=約1,097円
現在の法律では、1,000円未満の延滞金は切り捨てとなるため、加算されることはありません。
排気量1,000cc以下の乗用車の場合、延滞日数164日までは切り捨てです。
ただし、排気量の多い車は税額も高いので、アルファードでしたら92日延滞すると延滞金が1,000円を超え、延滞金が発生しますので注意しましょう。
4. 差し押さえの可能性も
延滞が長期化すると、以下のような流れで財産を差し押さえられる可能性もあります。
(2) 催告書が届く(納付期限から4か月程度)
(3) 差し押さえ予告通知書が届く(納付期限から5か月程度)
(4) 差し押さえ
主に差し押さえられるものは、以下の通りです。
・ 給料
・ 自動車
・ 有価証券(株など)
・ ぜいたく品(時計など)

車の差し押さえの際には、タイヤロックなどが使用されます。
納付を約束すれば外してくれますが、勝手に外すと地方税法・刑法に基づく罪に問われるので、当たり前ですが勝手に外さないようにしましょう。
それでも納付されなければ、車は競売にかけられてしまいます。
期限内に自動車税を納付できない場合の対処法
差し押さえは嫌だけど期限内に自動車税を納付できない場合、ほったらかしにしてもいいことはありません。
以下のような対処法を取るといいでしょう。
1. 申請して減免される人もいる

・ 愛護手帳1・2度、またはA、または療育手帳A所持者
・ 精神障害者保健福祉手帳1級所持者
の方は、本人名義の自動車税・軽自動車税の減免の対象です。
また、生計を一にする家族が、対象者の通院・通学・通所・生業のために、継続的に月1回以上対象者の車を使用する場合も減免を受けられます(障害者本人が運転するときとは障害の級別が異なる)。
納付期限までに申請すれば全額免除、期限後に申請があった場合は、申請があった月の翌月分からの月割り計算で減免されます。
減免を受けるには申請が必要ですので、自治体の税務担当課に問い合わせてください。
2. 徴収猶予の特例制度を活用
・ 一時的にに納付することが困難
という2つの条件を満たす方(法人・個人問わず)は、今年に限って、自動車税・軽自動車税における「徴収猶予の特例制度」を利用できます。
自動車税・軽自動車税だけでなくほぼ全ての地方税が対象で、担保も不要で延滞金も1年間は発生しません。

申請の際には申請書とともに、収入や現預金の状況が分かる資料提出が必要ですが、なければ口頭でもOKです。
「関係法令の施行から2か月後、または納期限のいずれか遅い日」が申請期限となります。
郵送で提出すると、数日~20日後をめどに審査結果と新たな通知書が送られてきます。
3. 通常の徴収猶予制度も使える
徴収猶予の特例制度を申請したが審査落ちしても、諦めるのは早いです。
特例制度ではなく、通常の徴収猶予制度も使えます。
・ 納税者本人、または生計を同じにする家族が病気にかかった
・ 事業を廃止、または休止した
・ 事業の利益減少などにより著しい損失を受けた
以上の条件に該当する方は、通常の徴収猶予制度を使えます。
特例制度と同様に、猶予期間は1年間です。
4. 分割払いにしてもらうよう税務署にお願いする
自動車税は一括払いが基本ですが、どうしても一括で払えないという人は分割払いも可能です。
その際は、税務署に電話などでお願いしましょう。
電話をすると、担当者に一括納付できない理由を聞かれます。
その後、毎回いくら払って何回払いにするのかも聞かれます。
1回分の支払いを少なくし過ぎて(1万円以下)支払い回数を多くしようとしても、断られる可能性が高いので、3回払いくらいがベストでしょう。
分割払いが終わると延滞金分の納付書が送られてきますので、納付すれば完了です。
5. クレジットカードの分割払いを活用

税務署にお願いするのはちょっと、という方は、クレジットカードの分割払いを活用するのもアリです。
クレジットカード払いで自動車税・軽自動車税の納付が可能な自治体であれば、カード払いできます(手数料がかかる)。
また、コンビニで納付書の支払いが可能な電子マネー(nanaco・WAON)にクレジットチャージすれば、多くの納付書で間接的にカード払いが可能です。
とりあえず1回払いで支払い、あとから分割払いに変更するといいでしょう。
三井住友カードでは、1万円以上の1回払い・2回払い・ボーナス一括払いを、インターネットや電話から分割払いに変更できます。
ただし、分割払いに変更すると分割払い手数料が以下のようにかかります。
・ 6回払い:年13.75%
・ 12回払い:年14.5%
また、支払い回数を多くすると、元金に対する分割払い手数料の割合が多くなります。
三井住友カードの場合、3回払いだと約2%ですが、12回払いでは約8%になるので、分割のし過ぎは禁物です。
自動車税の納付が難しくても放置せずに相談を
新型コロナウイルスの影響で、
「外出を控えていて自動車税の納付に行けない」
という人、多いと思います。
納付が難しいからといって放っておくと、車検を受けられませんし延滞金がかかって、いいことはありません。
納付が難しく、徴収猶予制度を活用したい場合は自治体に、分割払いを希望する場合は税務署に相談するといいです。(執筆者:角野 達仁)