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損害保険の概要
損害保険とは、偶然のリスクによって生じた損害を補償する保険のことをいいます。
従って、保険事故が発生した際にあらかじめ決められた一定額が支払われる生命保険と異なり、実際に発生した損害額に応じて保険金が支払われる実損払方式が中心となっています。
現在では、多様な需要に応じて多種多様な損害保険が準備されています。
身近なものとしては、住宅の火災等に備える火災保険や、自動車での事故に備える自動車保険が挙げられます。
また、需要に応じて、新しい保険が開発されることも多々あります。
損害保険の特徴としては、生命保険に比べて無駄が生じにくいという点が挙げられます。
生命保険は、本来必要でない保障金額の保険に加入されている方が散見されます。
損害保険は、加入時に必要な補償額を算定したうえで(実損払いのため)加入するため無駄が生じにくいといえるでしょう。

火災保険の長期契約は短縮の方向
損害保険の一種である火災保険は、2015年9月までは最長で36年に渡る長期契約が可能でした。
しかし、2015年10月以降は最長で10年契約でしか加入できなくなってしまっています。
理由としては、近年増加している自然災害のため、損害保険会社の収支が悪化していることや、損害保険会社が保険料を算定するうえで将来予測が立てにくいことがあります。
損害保険に限らず、一般的に短期の契約より長期の契約の方が、総支払額は抑えられることが多いです。
例えば、電車の通勤定期等は、1か月定期を買うより6か月定期を買う方が総支払額が少なくなります。
火災保険も例外ではなく、より長い期間で契約する方がお得になります。
しかしその火災保険の長期契約が、今後最長10年から5年に短縮される見込みです。
従って、5年に短縮される前に、10年の長期契約に切り替えることを検討するのも良いかもしれません。
意外と知られていない自動車保険の長期契約
火災保険の長期契約が存在しますが、自動車保険の長期契約はあまり知られていません。
最近、徐々に3年契約の自動車保険に加入されている方を見かけることが増えてきていますが、7年の長期契約ができる保険会社は意外に多いです。
自動車保険は火災保険と異なり、等級というものが存在し、1年間事故がなければ(保険を使わなければ)1等級上がっていき、等級が上がるにつれ保険料が下がる仕組みになっています。
そのため、一概に長期契約の方がお得であるとはいえませんが、これ以上等級が上がらないところまできている方(20等級の方)にとってはメリットがあるといえます。
損害保険会社の方によると、自動車保険の7年契約が存在することは広めたくないそうです。
つまり、自動車保険に加入する人にとってはそれだけお得だということです。(執筆者:土井 良宣)