犬や猫といった動物も、人間と同じように病気やケガをします。
しかし動物が病院で治療を受けても、人間のように公的医療保険を利用できません。
また、ペットが他人に噛み付いてケガを負わせてしまい、賠償責任を負う可能性もあります。
そこで頼りになるのがペット保険です。
今回は、ペット保険の内容や加入時にチェックするポイント、必要性について解説していきます。

目次
ペット保険の補償内容とは
ペット保険とは、飼っているペットが病気やケガで入院や手術、通院による医療費を補償する損害保険です。
補償の対象となるペットは、主に犬や猫ですが、保険会社によって異なります。
ペットが医療行為を受けても公的医療保険が使えないため、病気やケガで動物病院のような医療機関で治療を受けた場合、医療費は全額自己負担です。
そのためペットが手術を受けると、医療費が数十万円ほどの高額になることがあります。
ペット保険に加入していると、ペットが治療を受けたときに保険金を受け取れて治療費の負担を軽減できます。
保険会社によっては、ペット保険に加入した後に発覚した先天性疾患も補償の対象です。
また、ペット保険は、商品によっては以下のような特約を付帯して補償を手厚くできます。
葬儀費用:ペットが亡くなったときの葬儀費用を補償
ペット保険に加入するときにチェックするポイント
ペット保険に加入するときは、以下の4点を確認しましょう。
1. 補償割合と免責金額
2. 窓口精算の有無
3. 加入と更新ができる年齢
4. 保険料
1. 補償割合と免責金額
ペット保険を選ぶときは、補償割合や免責金額、支払限度額を確認しましょう。
・ 免責金額l:補償される治療費に対して飼い主が自己負担する金額
・ 支払限度額:保険会社が支払う保険金の上限額
例えば、以下のペット保険に加入しており、ペットが病院で1日あたり50,000円の医療費がかかった場合の、保険金額を計算してみましょう。
・ 免責金額:5,000円
・ 支払限度額:1日あたり3万円
保険金額=(支払った医療費-免責金額)×補償割合
=(5万円-5,000円)×70%
=3万1,500円
計算結果は3万1,500円ですが、支払限度額が1日あたり3万円のため、支払われる保険金は、3万円となります。
補償割合や免責金額、支払限度額は、保険会社や商品によって異なります。
補償割合が100%のものや免責金額がないペット保険もありますが、保険料は高くなります。
ペット保険に加入するときは、試算結果を確認し、家計にとって大きな負担でないか確認してから加入しましょう。
2. 窓口精算の有無
窓口精算とは、飼い主が動物病院の支払窓口にペット保険の保険証を提示することで、負担する金額が、ペット保険の補償割合を除いた金額で済みます。
保険金は、保険会社から診療を受けた動物病院に直接支払われるため、飼い主が医療費を立て替える必要はありません。
ただし窓口精算ができるペット保険は、保険料が割高な傾向にあります。
3. 加入と更新ができる年齢

ペット保険は、加入できる年齢が商品によって異なります
。
2020年4月時点では、シニア期と呼ばれる8歳以上のペットでも加入できるような商品や、シニア専用のペット保険を取り扱い保険会社も増えてきました。
またペット保険の契約を更新できる年齢に上限が設けられている場合があるため、加入時に何歳まで更新できるのか確認しましょう。
4. 保険料
ペット保険の保険料は、ペットの種類や年齢、血統書の有無などによって変わります。
また、ペット保険の保険期間(補償される期間)は、基本的に1年で契約者から解約の申し出がない限り自動で更新されます。
自動更新の際に、保険料が再計算されて保険料が上がっていくため、将来の保険料負担も加入時に確認が必要です。
ペット保険の必要性
ペット保険に加入せずとも、ペットの病気やケガの医療費は貯蓄で備えられます。
しかし十分な貯蓄がない状態で、飼っている犬や猫が事故に遭ったり病気になったりしたら、満足な治療を受けさせてあげられないかもしれません。
そのためお金がたまるまでの間、ペット保険に加入し、ペットの病気やケガにおくのも1つの方法でしょう。
ペット保険に限らず、保険はあくまでリスクに備える手段の1つです。
もしペットが病気になったときやケガをしたときに、お金のことを気にせずに最善の治療を受けさせてあげたいのであれば、ペット保険を検討されてみてください。(執筆者:品木 彰)