2020年6月19日に「iシェアーズ S&P500 米国株ETF(為替ヘッジあり)」が東京証券取引所に銘柄コード2563で上場されることになりました。
日本株と同じようにできる米国株のインデックス投資の選択肢が増えることになります。
しかし、投資に少し詳しい方ならこう思うはずです。
「最近は信託報酬や手数料の安い投資信託もあるし、S&P500に連動しているのもあるよね」
「確か【2521】もS&P500で為替ヘッジありのETFだったような」
確かにその通りです。
では、iシェアーズから上場することが決まった【2563】と既存のS&P500に連動するETFや投資信託との違いを比べていきましょう。
目次
「iシェアーズS&P500 米国株ETF(為替ヘッジあり)【2563】」の特徴

ETFは上場投資信託のことで、簡単に言えば株と同じような感覚で売買できる投資信託のことです。
「iシェアーズS&P500 米国株ETF(為替ヘッジあり)」もETFの1つです。
管理会社:
ブラックロック・ジャパン
信託受託会社:
三菱UFJ信託銀行株式会社
この2社が運営しています。
2社ともにETFや投資信託の扱いに長けた投資の世界では有名な企業です。
当然のことながら、日本上場なので日本円建てで日本株と同じように取引できます。
【2563】の特徴は以下の通りです。
最初の1年目の信託報酬は激安
【2563】の2020年6月18日から1年間は信託報酬が税抜き(0.075%)と激安のプロモーション価格です。
その代わりに、1年経つと信託報酬が値上がりして税抜き(0.15%)程度になります。
円建て為替ヘッジあり
「為替ヘッジあり」これが【2563】の最大の特徴です。
米国株に限らず海外の投資対象は米ドル建てや香港ドル建て、ユーロ建てなど外貨建てで取引されています。
日本人投資家から見ると外貨建ての資産は「円高」による損失が懸念材料でした。
たとえば、S&P500の投資信託を外貨建てで購入し10%上昇したものの円高が進んでいたため日本円で利益を計算し直すと「あれ?為替で負けていてそれほど儲かってないな」ということも多いのです。
米国株と同様に米国上場のSPYなどS&P500に連動したETFも有名ですが、買うには
・ 日本円で注文したら外貨決済で両替手数料がかる
などといったように手間もお金もかかりました。
しかし、「為替ヘッジあり」であれば
という恩恵に預かれます。
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「iシェアーズ S&P500【2563】」と「他のS&P500投資信託」との比較
もともとあるS&P500関連のETFや投資信託との差も整理しておきましょう。
それぞれ円建てで購入可能なところは共通しています。
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「iシェアーズ S&P500(為替ヘッジあり)」が2020年6月19日からの1年間の信託報酬では他に比べても安くなっています。
その代わり1年後からは為替ヘッジの分、手数料が高めになるようです。
既存のヘッジ型の【2521】の信託報酬と同程度になる見込みです。
一般的にはETFよりも投資信託の方が小口で購入可能です。
たとえば、以前から上場されている「SPDR500【1557】」は2020年6月現在で最低3万円程度は必要です。
しかし、「eMAXIS Slim」をはじめとした投資信託は100円や1,000円からはじめられます。
「iシェアーズ S&P500(為替ヘッジあり)【2563】」の登場で、米国株インデックス投資の選択肢が増えたのは確かです。
米国株インデックスの成長に純粋に投資したい人におすすめ
「iシェアーズ S&P500(為替ヘッジあり)【2563】」が上場することになりました。
最初の1年は信託報酬がかなり安くてお買い得です。
海外投資では為替リスクがつきものですが、為替リスクなしで純粋に米国株インデックスの成長に投資したい人におすすめのETFになりそうです。(執筆者:田守 正彦)